蓄電池のメリット
蓄電池のメリットとして最初に挙げられるのが、電気代が軽減できるという点です。
平成23年に起きた大地震の影響による原子力発電所の停止や固定価格買取制度の開始による太陽光サーチャージにより電気代の負担が多くなりました。そこで、それまで限られた家庭でのみ追加で選ぶことができた時間帯別料金を全てのご家庭で選ぶことができるようになりました。それにより、電力会社によってプランは違いますが、夜の遅い時間から朝までの安い電力を蓄電池を充電しておき、ピーク時間の昼間に使用することで電気代を抑えることができるのです。
2つ目は、停電時(非常時)に使用できる点です。
万が一停電した際は蓄電池の電気を非常用として使う事ができます。蓄電池があれば、夜間でも部屋を明るくできますし、冷暖房機器の使用、テレビやネットで状況を確認することもできます。今後大地震が起こりやすいと言われていますので、災害時に電気が止まってしまった場合にも役立つことになると思います。
3つ目は、FIT終了後でも効率よく電気が使える点です。
2019年11月から続々と固定価格買取制度(FIT)が終了し、FIT終了後の買取価格は10円以下にまで下がってしまいます。 現在の1kWhあたりの電気料金は36.6円(※東京電力スタンダードプランの121kWh~300kWhの電力量料金の場合)ですので、10円で電気を売るよりも、36円の電気を買わない方がお得になります。 日中は太陽光で発電した電気を使用して余剰電力で蓄電池を充電します。日が落ちてからは蓄電池に充電しておいた電気を使うので買う電気の量を減らすことができ、無駄なく太陽光発電を利用できてさらに電気代もお得になるわけです。
蓄電池のデメリット
蓄電池のデメリットとして最初に挙げられるのが、設置に関わる金額が高くなってしまう点です。
各販売店の工事費込みの価格を見比べてみると、5~6kWの蓄電池で150万円程度、9~10kWの蓄電池で200万円程度が相場のようです。数年前では300万円、400万円かかっていたことを考えると、だいぶ金額も下がってきています。枠があまり多くはないですが補助金を受けることも可能ですので、さらにお求めやすくなっています。
2つ目は、設置場所にそれなりの広さが必要な点です。
年々コンパクトになりつつありますが、それでも設置場所にはそれなりのスペースが必要になります。容量にもよりますが、最低でも大型の空気清浄機ほどのサイズが置ける場所が必要です。 また、蓄電池は熱を発生させるので外へ熱を出す必要があり、換気ができる場所に設置することが求められます。
3つ目は、寿命があるという点です。
スマートフォンは使用していくうちに経年劣化し、バッテリー容量が減っていきます。蓄電池も同じで、日々の使用で経年劣化して最大容量が減っていきます。
蓄電池の寿命はサイクル回数で表され、充電→放電1回を1サイクルとしています。各メーカーが公開しているサイクル回数は6,000回~12,000回程で、1日に2サイクル使用した場合の寿命は約8年~16年となります。
寿命と言ってもサイクル回数に達した時点で使用できなくなるわけではなく、最大容量が減った状態ではありますが使い続けることはできます。
数年前は蓄電池の寿命は5年と言われていましたが、だいぶ寿命が延びました。メーカごとに保証期間や充放電サイクル回数などが異なりますので、蓄電池を選ばれる際は使用環境に適切な製品選びが重要です。