太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの太陽光発電システムには、故障した場合に無料で修理や製品交換をしてもらえるメーカー保証が必ず付いています。内容や条件は各メーカーによって異なりますが、もしもの場合に備えてどのような保証があるのか把握しておくことは大切です。そこで今回は太陽光発電設備の保証の種類や内容、メーカーごとの特徴についてお話します。
太陽光発電の保証の種類
太陽光発電システムは長く使うものなので、故障や災害などの被害を受けた場合の保証が大切です。太陽光発電のメーカー保証には最低でも10年の無料保証がJIS基準で定められているため、ほとんどのメーカーで太陽光パネルやコンディショナー等の製品に無料の保証が設けられています。
なかでも重要なのは、メーカーが保証するシステム保証と出力保証、さらに自然災害補償、施工保証の4つです。
システム保証
一般的な家電製品についているメーカー保証と同じで、製造上の不具合が見つかった場合に修理や交換をする保証です。太陽光パネル単体を保証する製品保証と、架台などシステム全体を保証する周辺機器保証(システム保証)があります。内容や補償範囲についてはメーカーにより異なりますが、システム保証を受けるためには基本的に太陽光発電システム全体を同じメーカーで揃える必要があります。
出力保証
その字の通り、太陽光発電の出力を保証するもの。太陽光パネルはガラス表面の汚れや変形、変色などの経年劣化によって発電効率が低下していきます。この発電効率、つまり出力が一定の期間内に規定の数値を下回った場合にメーカーが無料で修理や交換を行うのが出力保証です。
自然災害補償
パネルメーカーの中には、火事や台風、落雷、洪水など自然災害による被害を補償してくれるメーカーもあります。有償・無償はメーカーにより異なるほか、災害や事故による故障は補償の対象外というメーカーも多いので自然災害補償の有無は必ず確認しておきましょう。販売店や工事会社が独自に災害補償サービスを提供している場合もあるので、購入の際に併せて確認しておくと安心です。
また太陽光パネルを家の屋根やカーポートの屋根に設置している場合は、住宅の火災保険で補償されることもあります。既に加入している火災保険があれば一度内容を見直してみましょう。
施工保証
太陽光発電設備を設置するための工事を行う施工店がつけている保証。太陽光発電システムによる雨漏りや太陽電池パネルの落下、電気工事による不具合など工事に関する不備があった際に無料で修理を行います。保証年数は工事店により1年〜10年とさまざまです。
メーカーごとの保証内容比較表(2023年最新)
ほとんどのメーカーが10~15年のシステム保証と、10~25年の出力保証を設けているのがわかります。有料の保証に加入することで保証期間を延長できるパターンも多いです。また、パナソニックの「蓄電池ユニット保証」やQセルズの「日照補償制度」など、独自の保証制度を設けているメーカーもあります。
太陽光発電システムは長く使う物だからこそ、各メーカー共に充実した保証制度が用意されていることがわかります。また、当社のように設置する工事事業者が設けている「施工保証」を確認しておくことも大切です。太陽光発電システムの設置をご検討の際は、メーカーや工務店の保証内容についても事前に確認するようにしてください。