「ポカリ、コカ・コーラ、ビール…お馴染み飲料メーカーのサスティナブルな取り組み」でも紹介しましたが、医薬品や飲料メーカーの大塚製薬は2022年7月12日、循環型モデル用のガラス瓶を使用した「ポカリスエット リターナブル瓶 250ml(税抜230円/本)」の販売を開始しました。
そのスタイリッシュな瓶のデザインはもちろん、使用済みの瓶を専用ボックスに返却すると、容器代として70円が返金されるというサスティナブルな仕組みを取り入れていることも話題となりました。
そして、このサスティナブルなプラットフォームを提供しているのが、2021年にスタートした循環型ショッピングシステムの「Loop」です。
今回は、Loopとは一体どんなシステムなのか、日本でLoopを導入している企業はどれくらいあるのか等について解説します。
Loopとは
Loopは、「捨てるという概念を捨てよう」というミッションのもと、日用品や飲食料品を再生可能な容器で購入できるプラットフォームを提供する「循環型ショッピングシステム」です。
商品代金にデポジットを上乗せし、ユーザーに使用済み容器の返却を促すことで、環境保全や容器コストの削減に貢献しています。
なお回収された使用済み容器は、洗浄されたうえで再利用されます。
2019年、ニュージーランドに拠点を置く民間のリサイクル団体「テラサイクル」が立ち上げ、最初はアメリカやヨーロッパでサービスがスタートしました。
2020年からは日本でも利用できるようになり、現在はイオンやキッコーマンといった大手企業が参画しています。
日本で買えるLoop商品については、後ほど詳しく解説します。
Loopの仕組み
通販でLoop商品を買う場合
①商品を購入
Loop商品を通販で買う場合、まずはLoopのウェブサイトまたは参画企業の公式通販サイトに登録し、欲しいと思った商品を注文します。
注文から数日後、専用バッグ「Loopトート」に入った状態で商品が届きます。
②回収
商品を使い切ったら、空になった容器を軽くすすいでLoopトートに入れ、直接回収に来た配送業者に渡します。
③返金
使用済み容器を入れたLoopトートが受領されると、1週間程度でデポジットが返金されます。
返金されたデポジットは自動的にアカウントに反映され、次回以降の買い物に使用することができます。
④リサイクルまたはリユース
返却された容器はそれぞれに合った方法で洗浄された後、再び中身が補充され販売されます。
もしくは、別の商品の素材として再利用されます。
2-2.店頭でLoop商品を買う場合
①商品を買う
店頭でLoop商品を買う場合、まずはLoopに参画しているお店で対象の商品を購入します。
②QRコードを発行
店頭に設置された専用の返却ボックスでQRコードを発行して返却する容器に貼り、Loopのアプリで容器に貼ったQRコードをスキャンします。
③専用ボックスに返却
容器を専用ボックスに返却し、容器の回収がアプリで確認されると、2~3週間程度でアプリにデポジットの返金が反映されます。
④リサイクルまたはリユース
通販で利用した場合と同様に、回収された容器は洗浄後、リサイクルまたはリユースに回されます。
オンラインで買えるLoop商品
Loopの仕組みについて分かったところで、ここからは現在日本で取り扱われているLoop商品を紹介していきます。
まずは、LoopのECサイトで購入できる商品から見ていきましょう。
キッコーマン「キッコーマン Loop御用蔵醤油250ml」
2030年に向けた環境ビジョン「キッコーマングループ 長期環境ビジョン」を掲げるキッコーマンが発売している「キッコーマン Loop御用蔵醤油250ml」は、キッコーマンが伝統的製法を保存するために特別に建設した「御用蔵工場」で製造された、昔ながらの醤油です。
国産の大豆と小麦を使用し、木製の桶で熟成させた醤油はまさに逸品です。
販売価格は、容器代込みで1,128円(税抜)となっています。
容器にはガラス瓶が採用されており、返却すると100円が返金されます。
日本デルモンテ「デルモンテ Loop国産トマトジュース食塩無添加500g」
キッコーマンの子会社である日本デルモンテが発売している「デルモンテ Loop国産トマトジュース食塩無添加500g」は、国内の契約農家が手塩にかけて育てたデルモンテ専用トマト品種の完熟トマトだけを使用し、余分な熱を与えない独自製法で絞ることによって、すっきりとしたのどごしと味わいを実現したトマトジュースです。
販売価格は、容器代込みで949円(税抜)となっています。
御用蔵醤油と同様、容器にはガラス瓶が採用されており、返却すると100円が返金されます。
資生堂「アクアレーベル スペシャルジェルクリームA(オイルイン)」
2019年に、新しい企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を策定した資生堂。
そんな資生堂がLoopのECサイトで販売している「アクアレーベル スペシャルジェルクリームA(オイルイン)」は、外出前、就寝前、スポーツの後、マスクの下の保湿など、あらゆる場面で肌にうるおいを補給できるクリームとなっています。
Loopのコンセプトを加えた容器は再生可能なのはもちろん、「水」をモチーフにしたシンプルでインテリアに馴染みやすいデザインも魅力となっています。
価格は容器代込みで2,925円(税抜)となっており、容器を返却すると1,000円が返金されます。
LUV WAVES of materials 「LUVHAIRシャンプー&コンディショナー」
「LUVHAIRシャンプー&コンディショナー」は、髪にも肌にも環境にも優しい成分を高配合したシャンプー&コンディショナーです。
一般的なシャンプー、コンディショナーに比べて水分量が40%圧縮されているため、低刺激ながらもしっとりとしたうるおいを与えてくれます。
カラー毛、パーマ毛、エイジング毛、太い、細いに関わらずどんな髪質でもカバーするため、表参道のサロンのヘアケアとしても実際に使用されています。
なお、2022年5月25日からはECサイトだけでなく、イオンの店頭でも販売されています。
販売価格は、容器代込みでシャンプーが2,500円(税抜)、コンディショナーが2,600円(税抜)となっており、それぞれの容器を返却すると100円が返金されます。
イオンで買えるLoop商品
現在、日本におけるLoop商品の店頭販売は、主にイオングループが展開しています。
ここでは、イオンで購入できるLoop商品について見ていきましょう。
なお、店舗や地域によっては取り扱っていない商品もあるため、詳しく知りたい場合はお近くの店舗へお問い合わせください。
ユースキン「ユースキンhana ハンドクリーム」
「ユースキンhana ハンドクリーム」は、うるおい成分のビタミンB6・Eが配合された、ユースキン製薬こだわりの高保湿ハンドクリームです。
Loop商品としては、ユズと無香料の2種類が販売されています。
通常タイプのユースキンhanaにはプラスチック製のチューブ型容器が採用されているのに対し、Loop版ではリユースに適したガラス瓶が採用されています。
販売価格は容器代込みで1,500円(税込)となっており、容器を返却すると300円が返金されます。
2022年7月現在は、首都圏58店舗で販売されています。
ハインツ「ハインツトマトケチャップLoopボトル300g」
「ハインツトマトケチャップLoopボトル300g」は、世界中で愛されるハインツケチャップの美味しさはそのままに、容器にリユース可能なガラス瓶を採用したトマトケチャップです。
ハインツの特徴的なロゴがあしらわれたレトロな風合いのボトルは、つい食卓に出してしまいたくなること間違いなしです。
販売価格は容器代込みで348円(税抜)となっており、容器を返却すると50円が返金されます。
2022年7月現在は、首都圏58店舗で販売されています。
ロッテ「Loopキシリトールガム ライムミント」
「Loopキシリトールガム ライムミント」は、通常の「キシリトールガム ファミリーボトル」シリーズのようにプラスチック製ボトルを使用するのではなく、リユースに適したステンレス製ボトルを使用しています。
それによって環境への配慮はもちろん、密閉性や開けやすさの向上も実現しています。
また、会社や自室のデスクにも馴染む、キシリトールのロゴが刻印された高級感のあるデザインも魅力です。
販売価格は容器代込みで1900円(税抜)となっており、容器を返却すると800円が返金されます。
2022年7月現在は、首都圏19店舗で販売されています。
まとめ
今回は、循環型ショッピングシステム「Loop」とは何かについて解説しましたが、紹介した中で気になるLoop商品はあったでしょうか?
今回紹介したもの以外にもLoopに参画している商品はあるので、気になった方は是非Loopやイオンの公式サイトをチェックしてみてくださいね。
今はまだ普及途中ですが、循環型ショッピングがスタンダードな買い物方法になる未来も、そう遠くはないのかもしれません。
参考:Loop公式サイト
参考: ゼロ・ウェイスト「Loop」 | イオン