紙から作られたペン、植物の生える鉛筆…注目のサステナブル文房具10選!

SDGs

SDGsの達成に向けた取り組みが加速する昨今では、アパレル、食品、日用品など、さまざまなものがより環境に配慮したつくりに変わりつつあります。
それは文房具業界でも例外ではなく、いまや文房具店には、数年前までは考えられなかったような視点から生み出された「サステナブル文房具」が並んでいます。

そこで今回は、数あるサステナブル文房具の中でも特におすすめの10商品を紹介し、それぞれの特徴について解説していきたいと思います。

スーパーグリップG オーシャンプラスチック

海洋プラスチックを使用したボールペン

株式会社パイロットコーポレーションが2020年12月より販売している「スーパーグリップG オーシャンプラスチック」は、国内で初めて海洋プラスチックを素材に使用した油性ボールペンです。
協働しているリサイクル企業「テラサイクルジャパン合同会社」が国内で回収した海洋プラスチックごみを再生樹脂に加工し、ボールペンのボディの一部に使用しています。

また、グリップ部分に新開発の技術「グッドグリップ」を採用することで、従来品のスーパーグリップ以上の握りやすさを実現しています。
まさに、環境への優しさと高い機能性の両方を実現したボールペンだと言えるでしょう。

この他にも、パイロットは社内で回収した使用済みペン類をリサイクルするプロジェクトを実施するなど、ペン類の廃棄削減を通して環境活動に取り組んでいます。

パイロット公式サイト

ユニ ライメックス

新素材「LIMEX」を使用したボールペン

三菱鉛筆株式会社が開発した「ユニ ライメックス」の軸材には、近年紙やプラスチックの代替素材として注目が高まっている新素材「LIMEX(ライメックス)」が使用されています。

LIMEXは、世界中に存在する天然性資源である石灰石を主原料として作られた日本初の新素材です。
紙よりも製造時に使用する水が遥かに少なく、石油由来のプラスチックよりも遥かに環境負荷が低いことから、持続可能な社会の実現に大きく貢献すると期待されています。

ちなみに「ユニ ライメックス」には、紙の代替材料として使用される「LIMEXシート」の製造時に発生した端材が使用されています。
昔ながらの至ってシンプルなデザインのボールペンにしては珍しく、リフィルを交換すれば繰り返し使用できる点も特徴です。

三菱鉛筆公式サイト

PENON

画像出典:PENON公式サイト

森林認証木材を使用したボールペン

「PENON(ぺノン)」は、環境に配慮したサステナブルな商品の開発に取り組む企業「PENON(ぺノン)」が販売しているボールペンです。
PENONには、「森林認証」を取得した木材が使用されています。

森林認証制度とは、適切に管理された森林から伐採された木材などに認証マークを与える制度のことです。
PENON本体の木軸には、伐採量以上の植林が約束されたカルフォルニア産の「インセンスシダー」というヒノキ科の木材が使用されています。

PENONは、持続可能な森林利用と保護を目指すと同時に脱プラスチックも目指しています。
そのため商品パッケージにはプラスチックは一切使わず、代わりに森林認証紙を採用しています。

PENON公式サイト

MOTTAINAI紙ペン

画像出典:MOTTAINAI Shop

「もったいない精神」から生まれた紙製ペンシリーズ

環境分野におけるノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさん(1940-2011)は、2005年に来日した際「もったいない」という言葉に感銘を受け、環境を守るための世界共通語として広めることを提唱しました。
マータイさんの想いを継いで現在も活動している「MOTTAINAIキャンペーン事務局」が運営する通販サイト「MOTTAINAI Shop」には、「もったいない精神」からさまざまな生まれた商品が販売されています。

そんなMOTTAINAI Shopが販売する文房具の一つが、「MOTTAINAI紙ペン」です。
MOTTAINAI紙ペンは、本体が95%以上再生古紙で作られたボールペンとシャープペンです。
紙管を止める糊には天然接着剤である「ガゼイン」を、カラー印刷部分には水性インキを採用するなど、細部まで環境配慮にこだわっています。

MOTTAINAI Shop

スプラウトペンシル

画像出典:Sprout公式サイト

植物の芽が出る鉛筆

デンマークのサステナブル企業「Sprout社」は、アメリカのマサチューセッツ工科大学の学生グループが発明した植物になる鉛筆「スプラウトペンシル」を商品化し、販売しています。
スプラウトペンシルはお尻の部分に種子入り植物性カプセルがついており、使い終わってから逆さにして土に植えると、美しい観賞用植物や食べられるハーブなどが生えてきます。
たとえ短くなって使いづらくなっても、捨てずに新しい命として生まれ変わらせることができます。

もちろん鉛筆としてもこだわって作られており、芯の部分には鉛よりも環境に優しいグラファイトと粘土を、胴軸の部分には森林認証を取得した木材が使用されています。

Sprout公式サイト

おやさいクレヨン

野菜やお米を使用したクレヨン

「おやさいクレヨン」は、野菜とお米から作られた環境にも体にも優しいクレヨンです。
主に米ぬかから採れた米油とライスワックスや、収穫時や加工時に廃棄されてしまう規格外野菜や野菜くずが使用されています。

10色のクレヨンにはそれぞれ「ゆきにんじん」や「きゃべつ」といったように野菜の名前が付けられており、それぞれの色に近づけるために使われている顔料も食品用のものとなっています。
100%自然由来の原材料で作られているため、小さなお子さんが誤って口に入れても安全です。

2014年に販売開始して以降、おやさいクレヨン毎年2万セット以上を売り上げる人気商品となっています。
その人気は国内にとどまらず、韓国、中国、台湾などでも販売されています。

おやさいクレヨン公式サイト

エコフィールイレーザー

焼却時に有害ガスを出さない消しゴム

大手文房具メーカー「サクラクレパス」が販売している「エコフィールイレーザー」は、有害ガスによる環境汚染に配慮した消しゴムです。

一般的な消しゴムに含まれている塩化ビニールを使用していないため、廃棄後の焼却時にも有害な塩素ガスを発生させません。
ケースには再生紙を利用しており、全体に環境配慮を組み込んだ消しゴムとなっています。
また、プラスチックを溶かす性質を持つフタル酸エステルも含んでいないため、プラスチック製の筆箱などに長時間入れておいても安全です。

サクラクレパス公式サイト

Rocketbook

繰り返し使える次世代型ノート

「Rocketbook(ロケットブック)」は、アメリカのベンチャー企業「Rocket Innovation,Inc.社」が開発した「次世代型スマートノート」です。

一見すると普通のノートですが、紙には特殊加工が施されており、記入済みのページをウェットティッシュなどで拭き取れば、1,000回以上繰り返し使用することができます。 メモした内容を残しておきたい場合は、専用アプリを使ってスキャンすればクラウド上に保存することができます。

ビジネスや買い物など、ちょっとした場面で消費される紙の量は意外と多く、それらが積もることによって大規模な森林伐採が行われているのが現状です。
しかしRocketbookを使用すれば、スマートな生活を送りながら森林保護にも貢献することができます。

Rocketbook公式サイト

ピークリップス

画像出典:MIDORI ONLINE STORE

丈夫なファイバー紙から作られた紙製クリップ

「ピークリップス」は、老舗文房具ブランド「MIDORI(ミドリ)」が販売する紙製クリップです。
丈夫でナチュラルな手触りのファイバー紙を使用することで、コピー用紙を10枚まで止められる機能性を実現しています。
また、クリップを収納するケースにはダンボールの再生素材を使用し、耐久性を実現しています。
犬、猫、ゾウなど可愛らしい動物たちの形状をしたクリップは、ついカバンやデスクに忍ばせたくなること請け合いです。

MIDORI ONLINE STORE

紙製クリアファイル

紙ながらも高い機能性を実現しているクリアファイル

紙製品の企画・製造・販売を行っているメーカー「ハート株式会社」が販売している「紙製ファイル」は、環境に配慮しながら機能性もしっかり確保したファイルとなっています。
ファイルの片面には、ハート独自の紙を半透明にする「ワックスプラス加工」が施されているため、ファイルを開くことなく中の書類を確認することができます。
また、不要になった書類の処分時にはファイルごとシュレッダーにかけることができるため、書類とファイルを分ける手間がかかりません。

ハート公式サイト

まとめ

ペン、消しゴム、ノートに至るまで、いまやこんなに沢山のサステナブル文房具があることが分かりました。
今回紹介した文房具のうち特に気になったものがありましたら、是非実際に使ってみてくださいね。

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