新型コロナウイルスが猛威をふるい始めてから早くも1年が過ぎようとしていますが、
まだまだ思うように外出できない日々は続きそうですね。
そんな中、NetflixやAmazon Primeなどの動画配信サービスを利用することで、「コロナ禍でも何とか楽しく過ごせた」という人も多いのではないでしょうか。
しかし動画配信サービスを利用し始めてから暫く経つと、多くの人が直面するのが
「作品数がありすぎて何から見たらいいか分からない」という現象。
そこで今回は、まさに今「何を見て良いか分からない!」という状態に陥ってしまった人向けに、数ある作品の中でも筆者オススメのSFアニメ作品を4作品紹介していきたいと思います。
それでは、順番にチェックしていきましょう。
機動戦士ガンダムシリーズ
機動戦士ガンダムシリーズは、1979年に最初のアニメシリーズの放映がスタートしてから現在に至るまで多くのファンに40年以上愛され続けている、まさに「SFアニメの金字塔」と呼ぶに相応しい作品です。
物語の舞台は、多くの人類が宇宙へ移住して久しい宇宙世紀0079年。
地球連邦政府と「ジオン公国」を名乗るスペースコロニー・サイド3との激しい独立戦争が勃発してから半年以上が経過し、それにより人類の半数以上が命を落としながらも、戦争は膠着状態に陥っていました。
ある日、「赤い彗星」という異名を持ち敵味方問わず恐れられていたジオン軍のシャア・アズナブル少佐は、連邦軍の戦艦ホワイト・ベースを追跡する中で建造途中のコロニー「サイド7」に辿り着き、サイド7は瞬く間に戦闘状態に陥ります。
人々が混乱する中、サイド7に暮らすメカ好きの少年アムロ・レイは、モビルスーツ開発者である父テム・レイが作成したとあるマニュアルを偶然手にします。
そしてマニュアルを片手に、連邦軍が極秘で製造していたモビルスーツ「ガンダム」に乗り込んだアムロは、宇宙世紀の歴史を揺るがす壮大な戦いに巻き込まれていきます。
ガンダム最初のアニメシリーズでは、アムロという1人の少年が戦いに身を投じることで経験する苦しみや葛藤、そしてそこから成長していく姿が描かれています。
また当初はカリスマ的存在として登場するシャアも、物語が進むにつれて胸の内に秘めた怒りや悲しみを露わにしていきます。
何より、作中に登場するガンダムやザクといったモビルスーツは世代を問わず多くの人々を魅了し、インスピレーションを受けた宇宙開発技術者も多くいると言われています。
ちなみに、アニメの第一作目と同じ世界線で描かれた続編及び外伝作品は「宇宙世紀シリーズ」、宇宙世紀とは別のパラレルワールドにおけるガンダムが描かれた作品は総じて「アナザーガンダム」と称されています。
どちらにもそれぞれ違った良さがあるので、気になる人は是非時間のある際に両方チェックしてみてくださいね。
カウボーイビバップ
カウボーイビバップは「スペースカウボーイ(宇宙の賞金稼ぎ)」がテーマとなっている、1998年~1999年に放映されたテレビアニメシリーズです。
また、2001年には劇場版作品「カウボーイビバップ 天国の扉」が公開されています。
時は2071年、「宇宙における高速道路」である位相差空間ゲートが開発されてから約半世紀。
人類が太陽系全体に生活圏を広げる一方で、急激な宇宙開拓の弊害により治安は悪化の一途を辿り、毎日のように様々な都市で悪質な犯罪が発生していました。
そんな警察も手に負えないほどの犯罪を取り締まるべく、政府は「指名手配犯に賞金を掛け、捕まえた者に賞金を渡す」といった、北アメリカの西部開拓時代を模した「カウボーイ制度」を制定します。
そんなスペースカウボーイ稼業を営むスパイクと相棒のジェットは、ひょんなことから出会ったイカサマ師の美女フェイ、天才ハッカーのエド、犬のアインといった面々と共に、オンボロ宇宙船「ビバップ号」に乗って宇宙を駆け巡り、その中で様々な騒動に巻き込まれていきます。
カウボーイビバップの「ビバップ」とはジャズの1つの形態を指す言葉となっており、
タイトル通りBGMには、ジャズをはじめとした多彩な音楽がいくつも使用されています。
また作品自体のハードボイルドで粋な世界観も当時のアニメとしては珍しく、その独特なスタイルは国内外問わず多くの人々を魅了しています。
まさに「音楽好きかつSF好き」という人にとっては、たまらない作品だと言えるでしょう。
彼方のアストラ
彼方のアストラは、同名の漫画を原作として制作され、2019年に放映されたテレビアニメシリーズです。
2063年、高校課題である「大自然の中で5日間高校生(と小学生1人)だけで過ごす」という惑星キャンプに参加するべく集まった9人のメンバーは、目的地である惑星マクバに到着してほどなく謎の球体に呑み込まれ、宇宙空間に放り出されます。
幸い宇宙船を発見し航行するためのエネルギーも確保できたものの、食糧は3日分しかなく母星への帰還はほぼ絶望的という状況に追い込まれます。
しかし、「5つの惑星を渡って食糧を補給しながら帰還する」という方法を思いついたメンバーたちは、 それぞれの知識や得意分野を活かして協力し合いながら、帰還への旅をスタートさせます。
やがて旅を続ける中で、遭難事故を引き起こした犯人や、一連の出来事の裏に潜んだ巨大な陰謀が明らかになっていきます。
この作品にはSFとしての要素だけではなく、サスペンス、ミステリー、コメディなどの要素もふんだんに盛り込まれている点が魅力となっています。
物語が後半に進むにつれて次々と衝撃の事実が明かされていく怒涛の展開には、驚かされること間違いなしです。
パプリカ
パプリカは、日本SF文学界の巨匠である筒井康隆による同名小説を基に、「千年女優」や「東京ゴッドファーザーズ」などを手掛けたアニメ監督・今敏によってアニメ映画化された2006年の作品です。
物語の舞台は、夢に介入することによって精神疾患を治療する「サイコセラピー(PT)」の技術が著しく発達している近未来の日本。
PT治療の第一人者として注目されるサイコセラピストの千葉敦子には、人の夢に潜入して直接治療を施す夢探偵「パプリカ」としてのもう一つの顔がありました。
そんなある日、敦子が務める精神医学研究所で開発途中だった最新型のPT機器「DCミニ」が何者かによって盗まれ、それを悪用して人の夢を支配し、精神を崩壊させる事件が多発します。
DCミニを取り返すべく必死に犯人捜しを行う敦子は、いつしか夢と現実の入り混じる混沌の世界に呑まれていきます。
この作品は、原作者である筒井氏が今敏監督に直接映像化を依頼し、それが実現したものだと言われています。
楽しげでありながらも確かな不気味さや狂気を含んだ夢の(あるいは夢が現実に流れ込んできた時の)描写は、幼い頃に誰もが一度は観たであろう悪夢を思い起こさせてくれます。
そしてこの作品を観た後には、「いつか本当にDCミニのような機器が開発されたらどうなるんだろう…」とついつい考えてしまうかもしれませんよ。
まとめ
今回は、数あるSFアニメ作品の中から筆者が厳選した4作品について紹介・解説していきました。
SFと一口に言っても様々な世界観の作品がありますが、どの作品にも1つ共通している点があると言えば、宇宙、未来、テクノロジーなどについて考えるきっかけを与えてくれるというところでしょうか。
当コラムで紹介した作品たちも面白いだけではなく様々な気付きを与えてくれるので、もし気になる作品が1つでもあれば、是非おうち時間の合間に観てみてくださいね!