住宅用太陽光発電システムは、導入することで多くのメリットを得られますが、
一方で「屋根を加工してソーラーパネルを設置するのは抵抗がある」「そもそもそんなスペースがない」
などの理由から、導入を諦めてしまうご家庭があるのも事実です。
しかし、近年ではカーポートに設置できるソーラーパネルや、
ソーラーパネルと一体型になったカーポートなども多数販売されているため、
屋根を傷つけずに省スペースで太陽光発電システムを導入できる機会も増えてきています。
そして、これらは総じて「ソーラーカーポート」と呼ばれています。
「ソーラーカーポートなら我が家も設置しやすいかも!」と思われた方のために、
今回はソーラーカーポートの種類や設置相場、そしてメリットとデメリットまで、
細かくチェックしていきたいと思います。
ソーラーカーポートの3大タイプ&平均相場をチェック!
ソーラーパネル一体型
その名の通り、ソーラーパネルをあらかじめ搭載しているカーポートのことです。
ソーラーパネルと合わさることを事前に想定して製造されているため、
コンパクトでスッキリとした無駄のないフォルムが特徴です。
しかし一方で、その分車を収められているスペースが狭い、選べるメーカーが少ないなどの側面もあります。
ソーラーパネル後乗せ型
ソーラーパネルとカーポートを別々に選んで設置した場合は、このタイプになります。
前述した一体型とは違い、お住いの環境や好みに合わせてそれぞれの製品を選べるため、
「自由にカスタマイズしたい」という思いがある場合には、こちらの方がお勧めです。
ただし、カーポートの中にはソーラーパネルの設置を想定せずに作られたものも多いため、
希望に合いそうなカーポートを見つけた場合は、まずはメーカーに問い合わせ、
ソーラーパネルを設置できるか事前に確認しておくと良いでしょう。
オーダーメイド型
こちらもその名の通り、敷地のサイズを採寸し、
1から希望に沿って作り上げる完全オーダーメイド型のソーラーカーポートです。
サイズも高さも理想通りのソーラーカーポートを設置できるのは大きなメリットですが、
その分前述した2つに比べると、設置にかかる費用も高額になる可能性があります。
そのため、「費用はなるべく抑えたい」という方には不向きかもしれませんが、
「予算を気にするより、設備面に徹底的にこだわりたい!」という方にはお勧めと言えるでしょう。
平均相場はどれくらい?
カーポートのタイプや施工方法、パネルの種類によって価格は若干異なりますが、
おおよその相場は以下になります。
2台用の場合:200万円前後
3台用の場合:300万円前後
4台用の場合:350万円前後
より詳しい相場を知りたい場合は販売会社に直接問い合わせ、
簡易的な見積もりを出してもらうと良いでしょう。
カーポートにソーラーパネルを設置するメリット
見映えがスタイリッシュ
住宅の屋根にソーラーパネルを設置する際に懸念事項としてよく挙げられるのは、
「マイホームに傷がつく」「見映えが不格好になる」といった点です。
その点ソーラーカーポートなら、住宅屋根用のソーラーパネルほど目立たせることなく、
さりげなく景観の1つとして敷地内に取り入れることができます。
また、近年ではスタイリッシュなデザインの製品も多数登場しているため、
「選ぶ楽しみがある」という点もメリットの1つと言えるでしょう。
住宅用ソーラーパネルに比べて設置のハードルが低い
住宅用ソーラーパネルで十分な発電量を稼ぐためには、設置する屋根の方角や面積など、
いくつかの条件を満たす必要があります。
そのため、住宅の構造的に条件を満たせず、ソーラーパネルの設置を諦めてしまった…
というパターンも少なくありません。
その点、カーポートの屋根はフラットに作られていることが多いため、
方角を気にし過ぎる必要がなく、十分なスペースも確保しやすくなっています。
EV車(電気自動車)との相性もバッチリ!
近年、省エネ化社会の後押しを受けて順調にシェア数を伸ばしているEV車ですが、
燃料となる電気を供給できるスポットは、全国的に見てまだまだ少ないのが現状です。
しかしソーラーカーポートを設置する際に、併せてEV車用の充電スタンドも設置すれば、
自宅で手軽にEV車への充電が行えるようになります。
たとえ出先で電気供給スポットが中々見つからなかったとしても、自宅でこまめに充電することができれば、安心して日々運転することができますよね。
そういった点で見れば、EV車の購入を検討している方、もしくは既に購入済みの方にも、
ソーラーカーポートはお勧めだと言えるでしょう。
ちなみに太陽光発電システムとEV車の相性の良さについては、当コラム内の別記事にて詳しく述べていますので、興味がある方は是非そちらもチェックしてみてください。
住宅用ソーラーパネルと併せて設置すれば発電量アップも!
もし住宅の屋根にもソーラーパネルを設置する余裕がある、あるいはもう設置しているという場合は、
ソーラーカーポートと併用することで、より多くの発電量を稼ぐことが可能になります。
発電が増えれば売電や蓄電池に回せる電力も増えるため、必然的に多くのメリットを得られることに繋がるでしょう。
ただし、どちらか一方を後から増設した場合、条件によっては売電単価が増設時の価格に変更される可能性もあります。
売電価格は年々低価格化しているため、「価格変更はなるべく避けたい」という場合は、増設はあまりお勧めではないかもしれません。
この点に関してさらに詳しく知りたい方は、どうぞお気軽に当社までご相談ください。
カーポートにソーラーパネルを設置するデメリット
陰に隠れやすい
基本的に、ソーラーカーポートは住宅に比べて背が低いため、近くに木や建物があった場合は、
影がかかってしまう可能性が高いと言われています。
ソーラーパネルが陰に覆われてしまうと、必然的に発電効率も下がってしまいます。
その事態を未然に防ぐためにも、ソーラーカーポートを設置したいと思ったら、
まずは周辺に影を生む物体が無いか、よく確認しておくと良いでしょう。
積雪しやすい
一般的に、住宅の屋根には多少の傾斜がある場合が多いため、たとえ冬場に積雪したとしても、
大抵は自然に溶けて滑り落ちるようになっています。
しかし、前述したようにカーポートの屋根はフラットに作られている場合が多いため、
上に積もった雪が溶けにくく、落ちにくいというデメリットがあります。
さらに寒冷地などの大量に雪が降る地域で、カーポート上の積雪を長時間放置してしまうと、
ソーラーパネルが重みに耐えかねて破損してしまう可能性もあります。
もし「我が家のある街は雪が沢山降るかも…」と思った場合はカーポート販売会社に相談し、
その上で若干の傾斜があり、積雪耐性のある製品を選ぶようにすると良いかもしれません。
建設確認申請を出す必要がある
法律上カーポートは「建築物」に該当するため、ソーラーパネルと併せて一から設置する場合は、
お住いの都道府県の土木事務所建築課、または市役所の建築確認窓口に、
建築確認申請を提出する必要があります。
また、既に所有済みのカーポートにソーラーパネルを設置する場合も、
カーポート設置時に建築確認申請を出していたか、今一度確認してみることをお勧めします。
もし建築確認申請を出さずにソーラーカーポートを設置してしまうと、後々違法建築物として
見なされ、最悪の場合撤去を命じられる可能性もあります。
そのような事態を避けるためも、申請に関しては事前にお住いの地域の担当課に問い合わせ、
しっかり確認しておくことが大切と言えるでしょう。
まとめ
ソーラーカーポートに関する基本的な知識を紹介してまいりましたが、
総じて言えるのは、販売会社とよく相談した上で製品の種類や運用方法を決めるべきだということではないでしょうか。
とはいえ、「ソーラーカーポートを取り扱う会社=太陽光発電システムのプロフェッショナル」
とは一概に言えないため、太陽光発電に関して気になることがあれば、
いつでも当社のような専門会社にご相談ください。