環境保護団体とは、文字通り自然環境の保護及び環境問題の解決を目的とした団体です。
そして2020年現在、世界には様々な環境問題保護団体があり、それぞれが独自の取り組みを行っています。
しかしその実態をよく知らないと、
「本当に地球環境のために活動しているの?」
「正直イマイチ信用できない…」
と訝しんでしまうものですよね。
そこで、今回は世界規模で活動している主な環境保護団体を紹介しつつ、その活動内容についても一緒に見ていきたいと思います。
「環境保護に貢献したい」「どこかの団体に寄付したい」と考えている方は、是非信頼できる団体選びの参考にしてみて下さいね。
世界自然保護基金(WWF)
世界自然保護基金(以下、WWF)は、世界最大の規模を誇る自然保護団体です。
創設のきっかけは、進化生物学者でありヒューマニストでもあったジュリアン・ハクスリーがイギリスの新聞である『オブザーバー』に寄稿したとある記事でした。
その記事には「アフリカに生息する野生生物たちが危機的状況下にある」という内容が記されており、これに触発された鳥類学者のマックス・ニコルソン、同じく鳥類学者のピーター・スコット、アマチュア鳥類学者のガイ・マウントフォート、実業家のビクター・ストーラン、そしてオランダ王配ベルンハルトらによって、WWFの前身国際組織である
「世界野生生物基金(World Wildlife Fund:WWF)」が1961年に
スイスにて設立されました。
1971年にはWWFジャパンが設立され、その後1986年には現在の世界自然保護基金に改名されましたが、略称であるWWFはそのまま引き継がれています。
そして元々は野生生物を保護するために設立されましたが、現在では地球温暖化防止、持続可能な社会の実現、森林及び海洋保護まで幅広い分野で活動を行っています。
このように、常に環境保護の第一線を走り国連にも登録されているWWFですが、一方であまりにも巨大かつ莫大な資金を有する組織であるゆえに、大企業との癒着や活動による成果の信頼性が度々疑問視されているという側面もあります。
そのため「寄付先として信頼できるか自分の感覚で判断したい」という場合は、公式HP上に公開されている「事業計画書及び報告書」を事前にしっかり確認しておくことをお勧めします。
国際自然保護連合(IUCN)
国際自然保護連合(以下、IUCN)は1948年に設立され、スイスに本部を置く社団法人です。
WWFと同じく野生生物の保護活動の他に、土地、水、鉱物などの天然資源を保全するための調査や研究も行っています。
中でも「レッドデータブック」と呼ばれる絶滅の危機にさらされている野生生物たちを
リスト化した資料集は、1966年にIUCNが初めて発行したことで知られています。
ちなみに最新版のデータベースには、実に10万種以上の生物が登録されているそうです。
また、IUCNは「ワシントン条約」(絶滅の危機にある野生動植物の国際取引を取り締まるための条約)には重要な科学的な情報の提供を行い、ラムサール条約(水鳥などが生息する湿地に関する条約)では事務局業務を担当するなどの重要な役目を担っています。 2019年12月時点でIUCNには90ヶ国が参加しており、さらに130の政府機関、1,131の非政府機関が会員となっています。
日本は1995年に国家単位で会員となった後、1978年には環境省が政府機関会員となっています。
グリーンクロスインターナショナル(GCI)
グリーンクロスインターナショナル(以下、GCI)は、1992年に開催された地球サミットをきっかけとして生まれた環境保護団体です。
GCIはソ連最後の指導者として名を馳せ、ノーベル平和賞も受賞しているミハイル・ゴルバチョフにより1993年に設立されました。
ゴルバチョフの「全世界を結んだ国際赤十字に倣おう」という発案により、緑十字(グリーンクロス)と命名されたと言われています。
1994年には、地球と人類が共生していくための普遍的価値及び行動基盤を示すための「地球憲章」(The Earth Charter)を作るための取り組みが始まり、世界各国で草案を作るための様々な活動が行われました。
有識者たちの意見、そしてまさに環境問題に悩まされている地域住民の声を反映した結果、最終的な地球憲章は2000年に策定されています。
現在でもこの地球憲章に記された諸原則のもと、グリーンクロスは様々な活動を行っています。 具体的な活動としては、スリランカなどの深刻な水不足に悩む国の集落に給水システムを設置する「水プロジェクト」や、西アフリカなどで進行している砂漠化を食い止めるための「植林プロジェクト」などを行っています。
GCIは2016年時点で27ヶ国に支部があり、日本では「グリーンクロスジャパン(GCJ)」が1993年に設立されています。
ナショナルトラスト
ナショナルトラストは、「歴史的建造物及び自然景観の保護」を第一目標としイギリスに
本部を置くボランティア団体です。
1895年に社会改革者のオクタヴィア・ヒル、弁護士のロバート・ハンター、英国国教会の司祭ハードウィック・ローンズリーの三者によってイギリスで設立されているため、今回
ご紹介する中では最も長い歴史のある団体だと言えます。
この団体の設立の背景には、19世紀末~20世紀初頭の約20年間続いた産業革命があったそうです。
当時のイギリスでは都市化が進むと同時に、豊かな自然や古き良き建物が次々と失われる事態に直面しており、失われた農地や山林は何とイギリス全土で約20万ヘクタールにも及んだと言われています。
そのような状況を変えるべく、前述した三者が設立したのがナショナルトラストというわけです。
ナショナルトラストはその第一目的の通り、賛同者からの寄付金や会費を基に建物や土地を買い取ることで歴史的建造物や豊かな自然を保護し、管理しています。
この「買い取った上で保護及び管理を行う」という活動は、1907年に策定された「ナショナルトラスト法」に基づいており、これはナショナルトラストにのみ与えられた権利となっています。
ちなみに日本では「日本ナショナルトラスト」として、「旧モーガン邸」といった歴史的建造物や、「巻機山」といった自然などの保護を行っています。
ウォーターエイド
ウォーターエイドは、「世界中のすべての人々に清潔で衛生的な水を届ける」ことを目的とした非営利団体です。
設立のきっかけは、1981年にイギリスの水道業界で働く人々によって「乾いた第三世界会議(The Thirsty Third World Conference)」が組織化されたことです。
それを契機に清潔な水が飲める衛生設備が整っていない国や地域への支援活動が始まり、
同年7月21日にはウォーターエイドとして正式に非営利団体化されることになりました。
ちなみにウォーターエイドの初めての支援先は、スリランカとザンビアだったそうです。
その後、1985年には10ヶ国と協力関係を結び、1988年には約35万人を支援することに成功しています。
そして2016年時点で、ウォーターエイドは約6500万人に清潔な水やトイレシステムなどを届けています 清潔な水及び給水設備などの普及の他に、ウォーターエイドは「衛生習慣の促進」にも積極的に取り組んでいます。
世界には水が不足しているゆえに、「食べ物はきちんと洗ってから口に運ぶ」「手を洗う時は石鹸を使う」といった基本的な衛生習慣を身につけることすら困難な人々がいます。
しかしそういった習慣がないということは、感染症により下痢を引き起こし、最悪命を落としてしまうリスクが上がるということに繋がります。
そのためウォーターエイドでは水や設備を届けて終わりではなく、衛生習慣を地域住民に浸透させるためのコミュニケーションも行っています。
まとめ
今回は世界で活動する主な自然保護団体について見ていきましたが、興味深い活動を行っている団体はありましたでしょうか?
多くの自然保護団体は民間からの寄付によって成り立っているため、もし「この活動を支援したい」と思った場合は寄付を行うのも良いかもしれません。
しかしコラム内でも度々述べている通り、寄付を行う前に公式HPなどをしっかり確認した上で「自分にとって信頼できるか団体か否か」を判断することが大切です。
今回ご紹介した以外にもまだまだ自然保護団体は沢山あるので、気になる方は是非ご自分でも調べてみてくださいね。
また、たとえ直接の寄付を行わずとも環境に配慮した行動を意識すれば、それが回りまわって多くの環境問題を解決へ導くことになります。
そしてその行動の一つには、再エネ発電システムの導入があります。
当社は再エネの代表格である太陽光発電システムを長年扱っているため、少しでも興味を持たれた方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。