住宅用太陽光発電システムの発電量を天気別&季節別にチェック!

太陽光発電

太陽光発電システムはその名の通り、太陽光をエネルギー源にして発電を行います。
では、太陽が隠れてしまう曇天時や雨天時には、発電は行えないのでしょうか?
結論から言えば発電自体は行えますが、天気によっては発電量が大幅に下がってしまう場合もあります。

また天気の変化は、季節の変化とも深い関わりがあります。
それらを踏まえた上で、今回は天気によって発電量が変わる理由、また季節と発電量の関係などを、細かくチェックしていきたいと思います。

天気と発電量の関係を知ろう!

まずは太陽光発電の仕組みを知ろう!

天気と発電量の関係を知る前に、まずは「光電効果」について理解しておきましょう。

光電効果とは、金属などの「物質」に「光」が当たることで、刺激を受けた物質内の電子が外に飛び出したり、電流が発生したりする現象のことです。
太陽光発電はこの現象を活用し、ソーラーパネルを「物質」、太陽光を「物質に当たる光」とすることで、電気を生み出しています。

この話を聞くと、ますます太陽光が出ているようには思えない曇天時、または雨天時に本当に発電できるのかが気になりますよね。
しかしどんなに悪天候の日でも、日没までは真っ暗闇に包まれないことから分かるように、日中太陽光は常に地表を照らしています。
そのためどんなに空が雲に覆われていようと、発電量がまったくの0になることは、ほとんど無いと言えます。

晴天時・曇天時・雨天時の発電量を比較!

晴天時と一口に言っても、「雲一つない青空が広がる日」と「若干雲はあるものの晴れている日」では、発電量に微妙な差が出ることは確かです。
しかしその上で、平均して見た晴天時の発電効率を100%とした場合、曇天時の発電効率は50%前後、雨天時では10%前後にも低下すると言われています。
当然と言えば当然ですが、太陽光発電において太陽光がどれだけ重要なのかということが、改めて分かりますね。

また、このデータを見て「そんなに下がるの!?」と驚かれた方もいるのではないでしょうか。
曇天時と雨天時に発電量が下がってしまう理由については、次の項目で説明していきます。

曇天時・雨天時に発電量が下がる理由

実は太陽光は異なる方向性を持つ3種類に分類されており、その中のどれを多く浴びるかによって、発電量も異なってくるということが分かっています。
その3種類の光というのが、以下になります。

➀直達光…太陽から直接降り注ぐ光のこと
②反射光…建物や地面に反射した光のこと
③散乱光…雲の内部や空気中の粒子の内部で屈折し、あらゆる方向に散乱した光のこと

晴天時にソーラーパネルが受ける光は主に直達光、あるいは反射光となっており、この場合は文字通り 太陽から直に光を受けているため、必然的に発電量は上がることになります。

一方、曇天時や雨天時には直達光が地表まで届かず、代わりに散乱光が増加します。
その場合、ソーラーパネルは散乱光を主なエネルギー源として発電を行いますが、何にも遮られずに降り注ぐ直達光と、あらゆる物質を通過して降り注ぐ散乱光とでは、発電を促すエネルギーに大きな差があることは一目瞭然でしょう。

天気の影響を受けて発電量が低下してしまう背景には、このような理由があったのです。

雪が発電量に及ぼす影響はあるの?

ここまでは主に曇天時、雨天時の発電量についてチェックしてまいりましたが、では雪が降った場合、発電量はどうなるのでしょうか。

雪が降っている間の発電量は、雨が降っている間と同様に10%前後だと言われていますが、それよりも気になるのは、パネル上に雪が積もった場合です。
もし薄く積もる程度であれば、雨天時程度の発電を行うことは可能ですが、何十センチも分厚く積もってしまった場合には、夜間と同様に発電を行えなくなる場合があります。

だからといって早急に雪下ろしを行おうとすると、雪の量が多ければ多いほど落雪による事故の危険性が高まるため、あまりお勧めはできません。
その場合はソーラーパネルの熱によって雪が解け、自然と落雪するのを待つか、または専門の業者に雪下ろしを依頼する方が得策と言えるでしょう。

積雪地域にお住いの方で、もし太陽光発電の導入を検討している場合は、積雪による発電低下の可能性をあらかじめ理解し、実際に起きた場合の対策を考えておくことが大切です。

季節と発電量の関係を知ろう!

発電量がピークを迎えるのは春~初夏

「最も発電量を稼げる季節は?」と聞かれた場合、日差しが強いイメージのある夏が真っ先に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
しかし意外にも発電量が最も多く稼げる季節は、なんと4~5月頃だということが分かっています。

この結果には、「ソーラーパネルは高熱に弱い」という点が大いに関係しています。
確かに年間を通して見た場合、日照時間の長さは7~8月頃がピークとなっていますが、同時に最高気温を迎えるのも、基本的にはこの時期が多いと言われています。

さらに年々日本の夏は暑くなっていると言われており、近年では8月の最高気温が40℃を超える 地域も少なくありません。
そのような高温下ではソーラーパネルの発電効率も落ちてしまうため、いくら快晴日が続いたとしても、夏の発電量は思った以上に稼げない場合が多いと言えるでしょう。

また、7~9月にかけては全国的に見て台風が発生しやすいというのも、発電量が伸び悩む一因となっています。
それらの事情を知ると、暑すぎず寒すぎることもなく、比較的晴れの日が多い4~5月頃が発電量のピークというのは、納得のいく事実ですね。

梅雨は太陽光発電の天敵!

5月下旬~7月上旬にかけて日本付近には梅雨前線が停滞しますが、この梅雨の時期こそ、太陽光発電と最も相性の悪い季節と言っても過言ではありません。
梅雨は降水量が多いため日照時間が短くなり、また著しく気温が下がったと思えば翌日は真夏日になったりと、気温も安定しない季節となっています。
そのため、これから太陽光発電システムを導入される場合は、梅雨は多少発電量が低下することをあらかじめ見込んでおいた方が良いでしょう。

また設置時期を決める際は、不安定な天候に振り回されるのを避けるためにも、なるべく梅雨以外の季節を選ばれることをお勧めいたします。

発電量を最大限増やすには

天気や季節によってある程度発電量が上下してしまうとはいえ、太陽光発電システムを導入する以上は、やはりなるべく沢山発電したいものですよね。
ここでは発電量を最大限増やすためにできることを、ソーラーパネルに関する3つのポイントに絞ってご紹介したいと思います。

ソーラーパネルをできるだけ多く設置する

ソーラーパネルは、発電に必要な太陽光を集める重大な役目を担っています。
その事実を踏まえた上で単純に考えると、設置枚数を増やせば増やすほど多くの太陽光を集め、発電量を増やすことに繋がるとも言えます。

もし可能であれば、お住まいの屋根に収まるパネル枚数を施工店に確認し、把握した上で、載せられるだけの枚数を設置するというのも1つの方法です。
ただし、場合によってはパネルの重みで屋根が破損してしまったり、所狭しと屋根に設置した結果、「我が家の見映えが悪くなった…」と感じてしまう可能性もあります。
そのようなケースを避けたい場合にお勧めなのが、次の方法です。

発電効率の高いソーラーパネルを選ぶ

近年ではパナソニックや東芝などの大手メーカーを筆頭に、高い発電効率を誇るソーラーパネルを扱うメーカーが増えています。
高効率のソーラーパネルを選べば、少ない枚数でも満足のいく発電量を稼げる可能性が格段に上がります。

高温に強いソーラーパネルを選ぶ

こちらも上記と同様に、近年では扱うメーカーが増えてきています。
高温または温度変化に強いソーラーパネルを設置することで、一年を通して比較的安定した発電量を維持できると言えるでしょう。

ここでご紹介した製品に関するより詳しい情報を知りたい場合は、当社までお気軽にお問い合わせください。

まとめ

天気と季節によって発電量に差が出てしまうのは、ある程度仕方ないということが分かりました。
しかしその点を事前に知っておくことで、太陽光発電システムに対する理解がより深まり、また年間を通した運用スケジュールが立てやすくなるとも考えられますね。

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