3月に福島県沖で発生した最大震度6強の地震、ウクライナ侵攻、火力発電の休廃止などの影響を受け、日本は今、電力不足の危機に陥っています。
関東で梅雨明けが発表された2022年6月27日には、一気に高まった気温による電力消費量の増加が懸念され、東京電力管内で「電力需給ひっ迫注意報」が発令されました。
これから本格的な夏が始まると、各家庭における電力消費量がより一層高まり、電力需給はますますひっ迫すると懸念されています。
そんな中、政府は6月24日、電力会社などが実施する「節電プログラム」に参加した家庭や事業者に対し、2000円分のポイント支給を検討していると発表しました。
政府によると、まずは節電プログラムに参加する家庭に2000円相当のポイントを支給し、その後、家庭が「もう一段の節電」をした場合、電力会社の「節電ポイント」に国が上乗せ支援をするとのことです。
節電ポイントとは、節電に取り組んだ家庭に対し、電力会社などから与えられるポイントです。
溜まった節電ポイントは、他各種ポイントや商品券などに交換することができます。
政府は節電ポイントの付与を検討している理由として、「家庭における電気料金負担を実質的に軽減し、節電を促すことで電力不足を乗り越えるため」と述べています。
この取り組みが、果たして本当に電力不足を乗り切るための最善策なのかについては疑問が残りますが、しっかりポイントを貰って得をするためにも、今回は各電力会社、東京ガス、東京都などが実施している節電プログラムの内容についてチェックしていきましょう。
電力会社が実施している節電プログラム
【東京電力】TEPCO省エネプログラム2022
東京電力は、2022年6月8日より「TEPCO省エネプログラム2022」を実施しています。
このプログラムは、東京電力が指定する電力料金プランに加入している家庭を対象に、節電や省エネの量に応じて節電ポイントを付与するというものです(従量電灯B・Cや低圧電力などは対象外)。
プログラムでは、「夏の節電チャレンジ2022」と「わたしの省エネ行動宣言」という2つのキャンペーンへの参加を呼び掛けています。
まず「夏の節電チャレンジ2022」(2022年6月8日~2022年9月30日)は、対象時間内に節電した家庭に対し、節電量に応じて節電ポイントをプレゼントするキャンペーンです。
1kWhの節電ごとに5節電ポイントが貰える仕組みとなっており、さらに初めて節電に成功すると、ボーナスとして100節電ポイントがボーナスとしてゲットできます。
プログラム期間終了後には、節電ポイントに応じて、TポイントやPontaポイント、またはギフト券等に交換できる「くらしTEPCOポイント」がプレゼントされます。
なお、「夏の節電チャレンジ2022」に参加するには、2022年8月20日までに「くらしTEPCO web」の「TEPCO省エネプログラム2022参加フォーム」より申し込んだ後、東京電力EPから届いたメールに記載された「節電チャレンジ対象時間」に合わせ、節電を実施する必要があります。
次に「わたしの省エネ行動宣言」(2022年6月8日~2023年3月31日)は、省エネ行動を宣言した人に対し、毎月20くらしTEPCOポイントをプレゼントするキャンペーンです。
さらにメールで「わたしの省エネの工夫」を送ると、毎回抽選で100名に1,000くらしポイントが当たるチャンスもあります。
こちらも「夏の節電チャレンジ2022」と同様に、「くらしTEPCO web」から参加することができます。
TEPCO 省エネプログラム 2022
【東北電力】夏の省エネチャレンジキャンペーン
東北電力は、2022年6月1日~2022年10月31日までの期間、「夏の省エネチャレンジキャンペーン」を実施しています。
このキャンペーンは、「よりそうeねっと」に電気の契約情報を登録し、東北電力が指定する料金プランで契約している家庭が対象です。
対象の家庭が、期間中に-5%以上の電気使用量削減を達成した場合、「よりそうeポイント」をかけた抽選に参加できる権利をプレゼントしています。
合計2,000名がポイントをゲットすることができ、3等なら500ポイント、2等なら3,000ポイント、1等ならなんと30,000ポイントが付与されることになっています。
たまったポイントは、東北の復興支援につながるご当地商品や、コンビニなどで使える共通ポイントに交換することができます。
夏の省エネチャレンジキャンペーン
【北陸電力】みんなde節電チャレンジキャンペーン 2022夏
北陸電力は、2022年7月~2022年9月までの期間、「みんなde節電チャレンジキャンペーン 2022夏」を実施します。
このキャンペーンは、北陸電力が提供している電気料金プランを契約しており、かつ会員サービス「ほくリンク」に加入している家庭が対象です。
対象の家庭が、2022年7月検針日から8月検針日の前日まで(2022年8月分)、または2022年8月検針日から9月検針日の前日まで(2022年9月分)の各月の電気使用量が前年同月よりも削減できていた場合、 各月の削減量の順位に応じて「ほくリンクポイント」がプレゼントされます。
たまったポイントは、スーパーや百貨店で使えるお買物券、auやdocomoのポイント等に交換することができます。
みんな de 節電チャレンジキャンペーン 2022 夏
その他の節電プログラム
【東京ガス】夏の節電キャンペーン
東京ガスは、2022年7月27日~2022年9月23日までの期間、「夏の節電キャンペーン」を実施します。
このキャンペーンは、東京ガスデマンドレスポンスサービス会員を対象に、節電対象時間の節電量に応じて、1kWhの節電ごとに5節電ポイントをプレゼントするというものです。
1節電ポイント=1Amazon ギフト券1円分として換算され、キャンペーン終了後、節電量に応じた特典としてAmazonギフト券がプレゼントされます。
対象時間内の節電を継続すれば、その分特典も多くなり、最大で4,000円分のAmazonギフト券を獲得することができます。
さらに、「夏の節電キャンペーン(2021年)」または「冬の節電キャンペーン(2021年)」といった過去のキャンペーンに参加し、かつ、いずれかのキャンペーンにおいて1パッチョポイント以上の特典付与が行われていた場合には、Amazonギフト券50円分が付与されます。
なお、このキャンペーンに参加するには、東京ガスデマンドレスポンスサービス会員である他に、以下の条件をクリアする必要があります。
・2022年7月19日から特典付与(11月以降を予定)までの間、継続して東京ガスのWeb会員サービス「myTOKYOGAS」の会員であること
・2022年7月19日時点で東京ガスの電気料金メニューの「ずっとも電気1S・1・2・3」または基本プランが適用されており、かつ電気の需給開始日が2022年7月15日以前であること
・東京ガスの電気料金メニューの「ずっとも電気1S・1・2・3」または基本プランが適用される住宅に、スマートメーターが設置されていること
以上の条件をクリアしていれば、「myTOKYOGAS」からキャンペーンへの参加申し込みをすることができます。
夏の節電キャンペーン
【東京都】東京ゼロエミポイント
東京都は、2019年10月31日~2023年3月31日までの期間、家庭の省エネ化を推進する「東京ゼロエミポイント」という事業を実施しています。
この事業は、設置済みのエアコン、冷蔵庫、給湯器等を省エネモデルの機器に交換した都民に対し、東京ゼロエミポイントをプレゼントするというものです。
たまったポイントは、商品券やLED引換券と交換することができます。
さらに2022年6月1日、小池百合子都知事は今夏の電力不足に備え、対象となるエアコンの省エネ基準を下げるほか、新たにLED照明も対象とする方針を示しています。
この事業で想定される効果として、東京都は年間14万トンのCO2削減と、年額69.3億円の光熱費削減を掲げています。
なお、東京ゼロエミポイントに申請するには、以下の条件をクリアする必要があります。
・都内に住所を有しており、その住所を公的な書類(免許証等)で証明できる
・エアコン、冷蔵庫、給湯器等を、省エネ性の高い新品の対象機器に買い換えた
・購入した対象機器を都内の住宅に設置している
これらの条件を満たしており、かつ2019年10月1日以降に購入した対象機器であれば、東京ゼロエミポイントに申請することができます。
東京ゼロエミポイント
まとめ
今回は、政府の節電家庭へのポイント支給検討を踏まえ、電力会社等による節電プログラムについて紹介しました。
今年の夏は、未だかつてないほど電力需給が厳しい夏になりそうです。
熱中症にならないよう適度に冷房を使用しつつも、できる範囲で節電を心掛けながら、どうにかこの夏を乗り越えたいですね。