蒸し暑い日が増えてきた今日この頃ですが、暑くなると冷たい飲み物が飲みたくなりますよね。
熱中症や脱水症対策のためにも、この時期は特に冷蔵庫に清涼飲料水をストックしている方も多いのではないでしょうか。
もちろん夏に限らず、私たちにとって飲み物は生きていくうえで一年中欠かせない存在です。
今回は、そんな飲み物を扱っているお馴染みのメーカーによる、サスティナブルな取り組みについて紹介していきます。
大塚製薬
ポカリスエットでお馴染みの大塚製薬は、グループ全体の事業活動におけるすべての環境負荷を実質ゼロにするという2050年に向けた環境ビジョン「ネットゼロ」のもと、3つのマテリアリティ(重要課題)を策定しています。
1つ目は、「カーボンニュートラル(持続可能なエネルギー利用)」です。
このマテリアリティでは、2028年のCO2排出量を2017年比で50%削減することを目標に掲げています。
2つ目は、「サーキュラーエコノミー(持続可能な原材料利用)」です。
このマテリアリティでは、2028年の廃棄物の単純焼却と埋め立てを2019年比で50%削減し、2030年のリサイクルPETおよび植物由来PETの使用率を100%にすることを目標に掲げています。
3つ目は、「ウォーターニュートラル(持続可能な水資源利用)」です。
このマテリアリティでは、2028年までに自社工場の水管理プログラムをグローバル全拠点へ展開し、水ストレス地域の事業拠点の水利用戦略を立案することを目標に掲げています。
これらを達成すべく、大塚製薬は「ポカリスエット」および「ポカリスエット イオンウォーター」のラベルレスボトル販売(通販のみ)や、森林および水資源の保全事業などに取り組んでいます。
また、2022年7月12日からは循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」を利用して、新たに「ポカリスエット リターナブル瓶 250ml(税抜230円/本)」を販売しています。
このリターナブル瓶は、循環モデル用に使用シーンや強度を考慮して作られたガラス瓶となっており、飲み終わった後は店頭の専用回収箱に入れることで、デポジットとして70円が返金される仕組みとなっています。
なお、現在この商品は「イオン」および「イオンスタイル」でのみ販売されています。
参考:大塚製薬公式サイト
コカ・コーラ
日本コカ・コーラおよびコカ・コーラボトラーズジャパン(以下、「日本コカ・コーラ」のみ表記)は、日本においてサスティナビリティを実現する際の優先および重点事項として、2019年より「3つのプラットフォーム」を掲げています。
1つ目のプラットフォームは、「多様性の尊重」です。
この中でも、日本コカ・コーラは主に「ジェンダー」「年齢/世代」「障がい者支援」「LGBTQ課題」の解決に注力し、女性管理職比率の向上や、同性婚に対する働きやすい環境の整備などに取り組んでいます
2つ目のプラットフォームは、「資源」です。
この中でも、日本コカ・コーラは特に事業と関連性の深い「再生可能エネルギー」「温室効果ガス排出量」「容器/PET」「水」の4項目を重要課題とし、持続可能な資源活用に向けた取り組みを推進しています。
中でも優先事項となっている「容器/PET」については、2018年に策定した「容器の2030年ビジョン」をベースに、100%リサイクルPETの導入やラベルレス商品の拡充などで業界をリードするとともに、紙パッケージの導入やマイボトル用給水サービスの試験展開などに取り組んでいます。
3つ目のプラットフォームは、「地域社会」です。
日本コカ・コーラは、先に挙げた2つのプラットフォームにおいて全国規模の貢献をしながら、持続可能活地域社会にも関連性のある取り組みを推進していくことを優先事項の1つとして掲げています。
具体的には、災害時などに役立つ地域貢献型自販機の設置、自治体との包括協定の締結、全国各地の清掃活動への参加などに取り組んでいます。
参考:日本コカ・コーラ公式サイト
アサヒビール
アサヒビールは現在、「最高の明日をつくるための5つのアクション」として、サスティナビリティに関する5つの重要課題を掲げています。
1つ目は、「責任ある飲酒」です。
「酒類を取り扱う企業グループとしての飲酒に関する基本方針」のもと、スマートドリンキングの推進、ノンアル・微アル商品の開発、webサイトやパッケージを通した適性飲酒の呼びかけなどに取り組んでいます。
2つ目は、「環境」です。
「アサヒグループ環境基本方針」と「アサヒビール環境方針」をベースに策定した「アサヒビール環境ビジョン2050」の実現を目指し、環境負荷低減に向けた取り組みを推進しています。
具体的には、商品の軽量化、グリーン電力の活用、省エネ設備の導入、間伐材を使用したエコカップの開発などに取り組んでいます。
また、広島県に点在する社有林「アサヒの森」を社員の手によって守り、水源涵養(かんよう)機能(水を育み蓄える力)を向上させることで、2025年までに商品に使用する水資源の100%還元を目指しています。
3つ目は、「食の安心・安全」です。
「アサヒグループ品質基本方針及び品質行動規程」をベースに、徹底的な品質管理、安全で高品質な原材料の調達、水の安全管理などに取り組んでいます。
4つ目は、「コミュニティ」です。
事業を通じた地域社会の活性化を目指し、廃棄食材を使ったサステナブルクラフトビールの醸造や、東日本大震災で被災した土地を活用して大麦を育てる「希望の大麦プロジェクト」などに取り組んでいます。
5つ目は、「人」です。
事業に関わるすべての人の国籍、性別、宗教などによる差別や、個人の尊厳を損なう行為を行わないことを明示した「アサヒグループ人権方針」を策定し、これを遵守した上で事業活動を進めています。
参考:アサヒビール公式サイト
サントリー
数あるミネラルウォーターの中でも圧倒的な人気を誇る「サントリー天然水」を販売しているサントリーは、「水と生きる」を消費者との約束に掲げ、これをベースとしたサスティナビリティ経営に取り組んでいます。
2014年に策定し、2020年に改定した「サントリー環境ビジョン2050」では、「水のサスティナビリティ」と「気候変動対策」を柱として明示しています。
サントリー環境ビジョン2050の具体的な内容は、次の通りです。
1.水のサスティナビリティ
(引用:「サントリー環境ビジョン2050」を改定 – サントリー」)
・全世界の自社工場での水使用を半減(2015年における事業領域を前提とした原単位での削減)
・全世界の自社工場で取水する量以上の水を育むための水源や生態系を保全
・主要な原料農作物における持続可能な水使用を実現
・主要な事業展開国において「水理念」を広く社会と共有
2.気候変動対策
・2050年までに、バリューチェーン全体で、温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す
省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギーの積極的な導入、次世代インフラの利活用およびバリューチェーンのステークホルダーとの協働を通じ脱炭素社会の実現に向けて取り組む
上記のうち、「水のサスティナビリティ」で掲げている「水理念」は、「①水循環を知る」「②大切に使う」「③水源を守る」「④地域社会とともに取り組む」の4つの課題から成り立っています。
この理念に基づき、サントリーは2003年から水源涵養機能の向上と生物多様性の保全を目標とした、「天然水の森」活動をスタートさせています。
この活動によって、天然水の森は全国15都府県21ヵ所、約12,000haまで拡大し、2019年には「2020年までに国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養する」という目標を1年前倒しで達成しました。
サントリーはこの活動の他にも、野鳥保護を目的とした「愛鳥活動」、子供たちに水を育むことの大切さを教える次世代教育プログラム「水育」などに取り組んでいます。
このうち水育は、日本だけでなくベトナムやタイでも実施されており、現地の水課題に合わせた教育プログラムが推進されています。
参考:サントリー公式HP
まとめ
今回は、有名飲料メーカー4社が行っているサスティナブルな取り組みについてご紹介しました。
今度コンビニやスーパーで飲み物を買う時は、「サスティナブルに配慮しているメーカーの商品かどうか」を商品選びの基準にしてみてはいかがでしょうか?
喉を潤しながらサスティナブルな取り組みにも貢献できると思うと、心なしか気持ちも爽やかになるはずです。
まだまだ暑い日が続きそうですが、しっかり水分補給をして、今年の夏も元気に乗り切りたいですね!