太陽がなくなると地球はどうなる?50億年後を予想してみよう

太陽に関する豆知識

太陽光発電システム運用のためだけではなく、地球上に存在するあらゆる生物が生きていくために無くてはならない存在である太陽。
しかし、この世のすべての存在には寿命があるのと同様に、太陽にもいつかは活動を終える時が訪れます。その時が訪れるのはまだまだ遠い未来ではありますが、「もし太陽が無くなったら地球はどうなってしまうんだろう?」という疑問が一度でも頭をよぎったことのある方は、案外多いのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、視点を太陽光発電システムではなく太陽に移し、
「太陽はいつ頃活動を終えるのか」「太陽がなくなった後の地球に変化はあるのか」などといった疑問について考え、予想していきたいと思います。

太陽が寿命を迎えると何が起きる?

太陽が活動を終えるのは約50億年後?

まずは、「太陽が寿命を迎えるかもしれない」と言われている時期やその理由について知っておきましょう。

太陽のように天体自らが有するエネルギーによって光を発している天体は、基本的に「恒星」と呼ばれています。

恒星の寿命は質量によってそれぞれ異なるとされており、質量が大きいほど寿命は短くなっています。
太陽または太陽と同程度の質量を有する惑星の場合、約100億年は活動を続けるとされており、太陽よりも5~10倍近くの質量がある恒星であれば、約500万~1000万年程度でその活動を停止すると予想されています。

上記の理論で考えると、私たちのよく知る太陽は誕生から約46億年が経過しているので、
単純に考えれば寿命が訪れるのは約50億年後だということが分かります。

あまりにも遠い未来過ぎて想像もつかないかもしれませんが、分かりやすく人間で例えるとするならば、働き盛りの40代前後といったところでしょうか。いずれにせよ現代を生きる子どもたちの孫世代、ひ孫世代、さらにその孫の世代が生存している間に太陽が寿命を迎えるということは、まず無いと言って良いでしょう。

寿命を迎えると太陽は膨張する

ここからは活動終末期を迎えた太陽に起きることについて、具体的に予想していきたいと思います。

まず第一に、太陽は水素をヘリウムに変えることでエネルギーを生み出しています。
しかし寿命を迎える頃には、この水素を全て使い果たしてしまうのではないかと言われています。

そして中心核に残ったヘリウムはやがて核融合をはじめ、太陽は徐々に膨張を始めます。
膨張後の太陽は通常状態の時に比べて約1.5~2倍ほどサイズも明るさも上がる一方で、温度は約2000~9000℃程度低下すると予想されています。
このようになった太陽は表面が赤く見えるようになることから、「赤色巨星」と呼ばれるようになります。


ちなみに太陽が寿命を迎えた際にはこのようなプロセスを辿りますが、他の恒星が寿命を迎えた際に全く同じ反応を表すかというと、決してそうではありません。例えば「赤色矮星」と呼ばれる低温で小さな恒星の場合は、エネルギー源が無くなればそのまま消滅することがほとんどです。
また「青色巨星」と呼ばれる高温かつ巨大な恒星の場合は、「超新星爆発」と呼ばれる大規模な爆発現象を起こした後にその一生の幕を閉じます。

中心核は白色矮星、ガスは惑星状星雲に

膨張し赤色巨星化した太陽の中心核は、核融合が終わると今度は徐々に縮んでいきます。
そして元の大きさと同程度、あるいはそれ以上に小さくなった中心核は、「白色矮星」と呼ばれる天体に変わります。

白色矮星は恒星にとって活動末期の形態と言われており、さらに時間をかけて温度が低下していくと、最後には「黒色矮星」という観測不可能な天体として活動を完全に停止します。そして、この過程の中で放出された塵やガスは徐々に天体の外へと広がり、白色矮星の周りを取り囲む「惑星状星雲」になるだろうと予想されています。

周囲の小惑星を次々に破壊!?

太陽が白色矮星、そして惑星状星雲へと形態を変えていくプロセスの中では、太陽系惑星の軌道にある程度影響を与えることも免れないでしょう。
中でも大規模な質量と強力な重力を有している木星の軌道が乱れた場合には、同時に小惑星の軌道も大きく乱されるだけではなく、太陽系を外れた遥か彼方に弾き飛ばされる可能性もあると言われています。
また太陽系の外ではなく、白色矮星になった太陽中心核の方向に吹き飛ばされるケースもあります。

過去に発見された白色矮星の周辺には、いずれも元は天体だったとみられる大量の塵が観測されているため、太陽の場合にも同じようなパターンが観測できるだろうと言われています。
もっとも、「太陽が寿命を迎えるという一大事に観測なんてしていられるのか」「そもそも人類は無事なのか」という点が何よりも気になりますよね。
その点については、次の章にて徹底的に予想していきたいと思います。

太陽が寿命を迎えた後の地球予想

地球に強大な温室効果をもたらす

地球温暖化の主な原因とされ、近年では環境保全団体を筆頭に削減活動が活発に行われている温室効果ガスですが、太陽が寿命を迎える頃の地球には、今とは比べ物にならない量の温室効果ガスが充満しているだろうと予想されています。
それは人類による環境破壊が進み過ぎたというわけではなく、エネルギー源となる水素を使い切ってしまった太陽からは、地球に向けて強い日差しと熱が送られるためだと言われています。
その日差しと熱は海を枯渇させるほど強く、たとえ雲である程度は遮られたとしても、生命が生き抜くにはかなり過酷な状況になることは免れないでしょう。

人類及び他生物の生存は困難?

コラム冒頭でも触れたように、地球上で行われるあらゆる生命活動は、どれも太陽の力なくしては成り立ちません。
そのため「太陽の寿命=地球の寿命」といった風に捉えておくことが妥当だと言えるでしょう。
仮に、太陽消滅後に辛うじて生命が生き残ることができたとしても、水の枯渇した灼熱の大地で作物を育て、そのまま生活を続けることは非常に困難です。
また、太陽が核融合を始める段階で地球は呑み込まれてしまうとも考えられているため、どの道地球上に生命が存続することは厳しいと言えるでしょう。

既に他の惑星に移住している可能性も

「太陽なき後の地球上で生命活動を維持することは困難」と述べましたが、太陽が寿命を迎えるより何億年も前に、既に地球上の生命体は他の天体へ移住している可能性もあります。

現在ではまだまだ「ここなら生命活動が可能だろう!」と断言できる天体は見つかっていませんが、火星植民計画などの移住研究は、NASAやJAXAをはじめとした多くの宇宙研究開発機関及び民間企業によってかねてより積極的に行われています。
研究の中には面白おかしく興味本位で進められているものから、科学的根拠に基づき真面目に進められているものまで多様にありますが、このまま研究が行われ続ければ、100年後もしくは1000年後には他天体への移住が実現している可能性もゼロではありません。

それが太陽系惑星なのか、あるいは全く未知の惑星なのか今はまだ検討もつきませんが、たとえ太陽が寿命を迎えたとしても宇宙が広がっている限り、可能性は無限にあると
考えて良いでしょう。

まとめ

太陽が寿命を迎える頃に起きるかもしれない現象について考えてきましたが、やはり50億年後の未来というのはあまりにもスケールが大きく、想像するのは中々難しいですよね。

しかし一つ言えることは、大切なのは今回様々な予想をした上で「いつかは地球もなくなるんだし別に良いよね!」と環境に配慮しない生活を送ることではなく、やがては終わりが来るとしても、なるべく長い間地球を美しい状態で保とうと努力することなのではないでしょうか。
基本的には「数十年後の未来を創る」という意識で環境問題に取り組みつつ、時には今回のコラムの様に数十億年後に思いを馳せてみると良いかもしれませんね。

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