太陽光発電が電磁波を生むって本当?その影響は?

太陽光発電

環境に配慮した再生可能エネルギーとして普及が進んだ太陽光発電システムですが、実は微量の電磁波を発生させているということが分かっており、健康面への影響が懸念されています。
また太陽光発電に限らず、現代社会におけるスマートフォンやタブレットなどの普及に比例して、電磁波も至る所で発生していると言われています。

「電磁波はなぜ発生するのか」
「電磁波が発生することで人体に悪影響を及ぼす可能性はあるのか」
今回はこの2点に焦点を当て、太陽光発電システムと電磁波の関係について見ていきましょう。

電磁波発生のメカニズム

「電磁波」とは、電気と磁気が合わさり空気中を流れていくエネルギーの総称のことです。
電磁波の中でも高周波数のものと低周波数のものでは性質が異なり、大きく3つに分けた場合、周波数が高ければ「放射線」、低ければ「電波」、中間に位置するのが「光」となります。
これらの電磁波は私たちの暮らしの中であらゆる場面に用いられており、放射線はエックス線検査などの医療、電波は携帯電話の通信などに活用されています。
このように電磁波は暮らしを支える上で重要な存在となっていますが、一方で使用方法や量を誤ると重大な事故を巻き起こす危険性も秘めています。

中でも放射線は非常に強いエネルギーを持っているため前述した通り医学に役立つ面もありますが、もし人体が大量に浴びた場合細胞を傷つけ、がんや白血病などの病に侵されてしまう危険性もあります。
1986年のチェルノブイリ原発事故や2011年の福島原発事故の際はこの放射線が周辺地域に降り注ぎ、その結果地元住民の多くが故郷を追われ、中には長期に渡る体調不良に悩まされるようになった方も少なくありませんでした。
電磁波は使い方によって人々の暮らしを支える頼もしい存在にもなれば、命をも脅かす恐ろしい存在にもなりうるということが分かりますね。

太陽光発電システムから電磁波が生じる仕組み

電気には「直流電気」と「交流電気」の2種類があり、普段私たちが家庭内や職場などあらゆる場面で使っている電気は交流電気です。
自家発電していない家庭の場合は、電力会社であらかじめ交流電気に変換された電気を使うという形になっています。

しかし太陽光で発電した際、初めに発生する電気は直流電気であり、そのままの状態では暮らしの中で使うことができません。
そこで、直流電気を交流電気に変換する役目を担うのが「パワーコンディショナー」、通称「パワコン」です。
太陽光で自家発電した電気を自家消費するためにはパワコンは必要不可欠ですが、このパワコンを電気が経由する時、微量ながら高周波数の電磁波が発生すると言われています。

ソーラーパネルも機械であるため同様に電磁波を発しますが、屋根の上に設置されているソーラーパネルが発する電磁波が人体に影響を及ぼす可能性は、極めて低いと言えます。
しかしパワコンは家庭によっては屋内に設置する場合もあるため、電磁波による影響面ではソーラーパネルよりも大きいと言えます。

太陽光発電で生じる電磁波は有害?

「太陽光発電システムが電磁波を出すなんて知らなかった!そんな怖いもの設置できない!」
正直、そう思われた方も多いのではないでしょうか。

しかしデジタル化が進む現代社会において、電磁波を発生させる製品は太陽光発電システム以外にも多く存在しています。
冒頭で述べたスマホやタブレットはもちろん、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、テレビ、オーディオ機器、その他ほぼ全ての電化製品は電磁波を発生させています。
どれも生活する上でなくてはならないものばかりですが、実際それらを使い続けたことによって健康を害した方は少ないのではないでしょうか。

さらに電磁波の数値を測る「ミリガウス」という単位において電気こたつや電子レンジは100~200ミリガウスであるのに対し、パワコンから生じる電磁波は75ミリガウス、ソーラーパネルから生じる電磁波は83ミリガウスと言われています。
この数値を見てもわかる通り、多くの人の場合日常生活において電磁波の多大な影響を受ける可能性はほとんどありません。

しかしながら、稀に電磁波に敏感に反応してしまう体質の方がいるのもまた事実です。
次の項目では、電磁波による人体への影響について見ていきましょう。

電磁波が人体に及ぼす影響

「電磁波過敏症」の人は要対策を!

「電磁波過敏症」とは、文字通り身の回りにある電磁波を敏感に察知してしまう症状のことを指します。
この症状を持っている人はわずかな電磁波を浴びただけでも心身の調子を崩してしまうことが多く、身体面では頭痛、吐き気、めまい、肌の乾燥、精神面では集中力の欠如やうつ状態を引き起こしてしまうこともあると言われています。

しかし、電磁波過敏症は決して治らない病気というわけではなく、その他の疲労や精神的ストレスなどに誘引されて引き起こる場合もあります。
電磁波を集める金属物を身に着けない、適度な運動を心掛ける、ビタミンやミネラルを摂取する、1日の中でリラックスできる時間を設ける…などの対策をとることで完治したという例も実際にあります。

もちろん、生活の中で電子機器に近づく時間をなるべく減らすというのも1つの方法です。
惰性でスマートフォンをいじる時間を減らす、電子レンジの使用中は少し距離を取るなどの心がけも重要と言えるでしょう。
同様に太陽光発電システムを設置する際も、屋内型よりも電磁波の影響を直接受けにくい屋外型パワコンを設置するなどの対策をとることをお勧めいたします。

オール電化にした場合の電磁波の影響

1-3内では、「太陽光発電システム含め現代社会では電磁波があちこちで発生しているものの、人体に大きな影響を受ける可能性は低い」と述べました。
しかしながら、「さすがにオール電化にしたら電磁波の発生が凄いことになりそう…」
と思われた方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、「オール電化にしたせいで体調が悪くなった」というケースは非常に少ないです。
ただ、オール電化製品の中でもIHクッキングヒーターは電子レンジと同程度の比較的高い電磁波を出すと言われており、もし長時間付けっぱなしにしていた場合、健康面に全く影響が出ないとは言い切れません。
しかし見方を変えれば、ガスコンロも長時間付けっぱなしにしていれば一酸化炭素中毒や火事を引き起こす危険性はあります。
いかなる設備も使い方次第によっては、安全にも危険にもなると言えるでしょう。

電磁波の発生を極力抑える方法は?

太陽光発電システム及び電化製品全般から発せられる電磁波について焦点を当てていきましたが、 そもそも電磁波は自然界でもごく普通に発生するため、完全に消し去るというのは不可能です。
それでも「できるだけ太陽光発電システムの電磁波発生を抑えたい!」とお思いの場合は、前述した通りパワコンは屋外に設置する、家電用の「電磁波干渉防止シート」をパワコンに貼るなど、最低限の対策を立てることをお勧めいたします。

まとめ

電磁波発生のメカニズムや発生した際の影響について見ていきましたが、
知れば知るほど、電磁波は私たちが生活する上で避けては通れない存在だということが分かりました。
健康へ及ぼす悪影響が完全にゼロではないとはいえ、電磁波による影響を気にし過ぎたことによって心身の調子を崩してしまっては元も子もありませんよね。

デジタルの時代を生きる私たちにとって大切なのは、過度に電磁波を怖がらず、ある程度は上手に付き合っていく心持ちでいることだと言えるでしょう。

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