かねてより、日本は災害大国と言われています。
近年でも大きな地震や台風により被災し、今なお復興途中という地域も少なからずあります。
そして、自然災害は太陽光発電システムに影響を及ぼすこともあり、過去にソーラーパネルの破損や倒壊が起きたケースがあるのも事実です。
しかしその一方で、「自家発電システムがあったからこそ被災時も乗り越えられた」というお声が当社へ多数寄せられていることもまた事実です。
今回は、日本における代表的な自然災害とその対策を見ていきましょう。
日本における代表的な自然災害
地震
地震は異なるプレート(岩盤)同士が押し合ったり刺激を与え合うことで発生しますが、日本は複数のプレートに囲まれた場所に位置しているため、世界的に見ても非常に地震の発生しやすい国と言われています。
過去25年を振り返るだけでも、阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振(いぶり)東部地震など、数多くの大きな地震に見舞われてきたことが分かります。
そしてこれらの地震によって、非常に多くの命が失われてきたことも確かです。
地震による被害は主に建物の倒壊、火災、液状化現象、土砂崩れなどが挙げられます。
大規模な震災が起きた場合、多くの建造物と同じように太陽光発電システムも損壊する可能性は否定できません。
津波
津波は地震の影響により、海底が持ち上がることで発生します。
2011年の東日本大震災では、地震による被害よりも津波による甚大な被害が相次ぎ、東北地方沿岸部の建造物は軒並み倒壊しました。
この震災は1万5000人超の死傷者を出しましたが、そのほとんどが津波に巻き込まれたことが原因で亡くなったと発表されています。
地震の多い日本では、必然的に津波の発生率も高いと十分に認識しておくことが必要です。
もし沿岸部に太陽光発電システムを設置し津波の被害に遭った場合、海水による塩害でパネルの配線などが故障する可能性も無いとは言い切れません。
昨今では塩害対応型の太陽光発電システムもありますが、設置前をご検討の際はお住いの地域が海岸から何m離れているかなどを確認しておくことが重要と言えるでしょう。
台風
台風は、主に関東地方や沖縄地方で夏から秋にかけて発生します。
若干強めの風が吹き抜けて終わりという場合もあれば、強烈な風に大雨を伴い家屋の倒壊や川の氾濫を引き起こす可能性もあります。
2019年、台風15号と台風19号が千葉を中心に猛威を振るったのは記憶に新しいのではないでしょうか。
これらの台風では記録的な豪雨と強風により多くの家屋や電気配線が破損し、約93万戸以上が停電被害を受けました。
また、台風は太陽光発電システムに最も影響を及ぼすとされる自然災害と言われております。
実際、強風によって飛散したソーラーパネルが近隣の建物にぶつかり、損壊させる事故が過去にあったのも事実です。
しかしソーラーパネルの耐久性は日々進化を遂げているため、そのような事故は年々減少しています。
積雪
豪雪による雪崩、転倒など雪が原因で発生する災害を雪害と言いますが、中でも太陽光発電システムに影響を及ぼすのは積雪です。
ソーラーパネルが設置された屋根に雪が積もった場合、発電量の低下はおろか雪の重量に耐えかねてパネルが破損してしまう可能性がゼロではありません。
また、パネルの上は非常に滑りやすくなっているため、屋根に直接雪が積もった時よりも落雪しやすくなるという危険性もあります。
これらの理由から、長年北海道などの降雪量が多い地域への太陽光発電システム設置は不向きとされていましたが、近年では雪対応機能を搭載したパネルも登場してきています。
特に降雪量の多いカナダ発のメーカーであるカナディアンソーラーが販売しているパネルは、各メーカーの中でも高い積雪耐性を誇っています。
太陽光発電システムは正しく使えば災害対策に!
日本における主な災害を見ていきましたが、「太陽光発電システムを設置したら、災害リスクばかりじゃん!」
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかしそうとは言い切れないばかりか、太陽光発電システムは時として災害時に大きな活躍をしてくれることもあります。
次は、「太陽光発電システムは実際の災害時にどのような働きをしたか」という点を見ていきましょう。
自家発電システムがあれば停電時も最低限安心
大規模な災害が起きた場合、水供給や交通機関停止などのライフラインが 遮断されてしまうことがありますが、中でも最も困るのは「停電」ではないでしょうか。
「エアコンが効かなくなった」「家族に安否確認を取りたいのに携帯を充電できない」など停電が人々に与える影響は計り知れず、さらに災害発生時期が真夏や真冬だった場合、命の危機にさらされる可能性もあります。
しかし太陽光発電システムを設置していれば、電力会社からの電気供給が停止しても自家発電した電気を一定量使うことが可能となります。
ただしその場合、通常運転モードのままではパワコン自体の電源も落ちているため使うことは出来ません。
電気を使用するためにはパワコンを非常電源モードに切り替え、専用の自立運転コードでパワコンと使いたい機器を接続する必要があります。
非常電源モードで運転した場合、使用可能な容量は通常1500Wが上限となっているため、使える電気機器は必要最低限のみとなります。
それでも1500Wあれば、電気スタンド、炊飯ジャー、携帯電話の充電器、扇風機または電気ストーブ程度であれば同時に繋ぐことが可能です。
これは全く電気が使えない状況に比べれば、はるかに安心が確保された状況だと言えるでしょう。
ちなみに電気が復旧した後は、必ず非常運転モードから通常運転モードに戻すことが大切です。
蓄電池と同時設置することでさらに大活躍
「太陽光発電システムがあれば最低限の電力供給は確保できる」と述べましたが、実際発電できるのは太陽が出ている日中のみという点を鑑みても、それだけでは心許ないと感じるのが正直なところではないでしょうか。
もし太陽光発電システムの設置だけでは不安が拭えない場合は、蓄電池の同時設置もお勧めしております。
蓄電池はその名の通り「電気を貯めておける電池」で、電力会社から供給される電気はもちろん、太陽光発電した分の電気も蓄えておくことが可能です。
そのため日中は太陽光で発電した電気を日中の使用分と蓄電池への充電分に回し、夜は蓄電池に貯めておいた電気を使うようにすれば、一日を通して最低限安定した電力供給を確保することが可能となります。
実際に大規模な停電を経験された設置者様のお声
当社が太陽光発電システム及び蓄電池の同時設置をお請けした世帯の方からも、近年の地震や台風に見舞われた際「非常に助かった」とのお声を多数いただいています。
今回はそのお声の中から、2つをご紹介させていただきます。
<熊本県在住・Y様の場合>
「熊本大地震の影響で停電になった時は一瞬とても焦りましたが、我が家には太陽光発電システムと蓄電池が備えてあることを思い出し、
心の底からホッとしたのを覚えています。当時子供が生まれたばかりだったのですが、あたたかいお湯が使えたのでミルク作りや沐浴も無事にできて本当に助かりました!」
<千葉県在住・O様の場合>
「2019年に台風15号、19号の影響で停電が起こり近所の住宅から明かりが消える中、自家発電していた我が家だけは煌々と明かりが灯っていました。蓄電池も備えていて余裕があったため、近所に住む友人のスマートフォンを充電してあげたり、玄関先を安否確認の場として活用してもらったところ、「とても助かった」「本当にありがとう!」などのお声を沢山もらえて嬉しかったです!」
他にも多数、当社としても大変光栄なお言葉をいただいております。
太陽光発電システムと蓄電池を設置することは自分の家族の安心だけではなく、地域の方々の安心も確保できると言っても過言ではないのかもしれません。
まとめ
自然災害は、いつ起きるかもどれだけの被害が及ぶかも予想することは難しいと言えます。
しかしいつ何が起きても落ち着いて対応できるよう、最低限の災害対策は欠かせません。
昨今着実に増えている自家発電と蓄電池の導入がスタンダードな災害対策となる日も、そう遠くはないでしょう。