太陽光発電システムに必要不可欠なソーラーパネルやケーブルは屋外に設置されるため、盗難被害に遭ってしまう可能性は残念ながらゼロではありません。
現状では住宅用システムが被害に遭うケースは少なく、野立てシステムが被害に遭うケースが圧倒的に多いようですが、だからと言って一概に「住宅用システムは盗まれる心配は無い」とは言い切れないのが現状です。
せっかく時間とお金をかけて設置した太陽光発電システムが何者かによって盗まれ、それによって大きな損失を被るのは絶対に避けたいですよね。
そこで今回は実際の盗難事例を踏まえた上で、
「なぜ太陽光発電システムは盗まれることがあるのか」
「盗まれないための対策はあるのか」
という点について考えていきたいと思います。
実際にあった盗難事例
「太陽光発電システムの盗難」と聞いても、初めはあまり身近に感じない方も多いのではないでしょうか。
そこで具体的に危機感を持つためにも、この章ではまず実際に起きた盗難のケースをいくつか紹介してきます
ケース➀
「再生可能エネルギー特別措置法」が施行され、太陽光発電事業に乗り出す企業が急速に増えた2012年、総合建築会社である創建工業が同年に茨城県水戸市に設置した稼働中のソーラーパネル26枚が盗まれる事件が発生しました。
当時創建工業は100kW相当のシステムを設置していたそうで、出勤した従業員が通報したことにより窃盗事件として捜査されました。
ケース②
ソーラーパネルだけではなく、送電に必要な銅線ケーブルが盗まれたケースもあります。
千葉県木更津市に建設された太陽光発電所では、2017年4月に山の斜面に配置していた大量の銅線ケーブルが盗まれるという事件が発生しています。
後に逮捕された犯人は、同年5月に兵庫県の太陽光発電所でも銅線ケーブルを度々盗んでいたことが分かっています。
ケース③
こちらも上記と同様に銅線ケーブルの盗難ケースとなっています。
2017年7月に発生したこの事件では実に1000~1200万円相当の銅線ケーブルが盗まれたため、被害金額が非常に大きいケースとして知られています。
ケース④
直近では、2020年3月に太陽光発電システム施工会社「アッシュ」の茨城県結城市にある物流センターにてソーラーパネル盗難事件が発生しています。
この事件ではなんと6,000枚以上ものソーラーパネルが盗まれ、その被害総額はなんと1億2,000万円相当にものぼると言われています。
これらの他、2014年には茨城県大子町の太陽光発電所建設現場で530枚、2019年には栃木県那須郡那須町の同じく建設現場で1700枚以上のソーラーパネルが盗まれていることが分かっています。
ここで紹介したケースはほんの一握りとなっており、当社にも度々盗難被害に遭った方からのお問い合わせが届いています(画像参照)。
盗難する目的は何?
前章で紹介した盗難事例を見て、「こんなに盗まれていたなんて知らなかった…」とショックを受けた方もいるのではないでしょうか。
そもそも、窃盗犯たちはなぜこんなにもソーラーパネルやケーブルを盗むのでしょう。
太陽光発電システム関連の盗難事件における捜査関係者によると、窃盗犯のほとんどは海外への転売を目的として犯行に及ぶ場合が多いそうです。
中でも銅線ケーブルは高値で取引されることが多いため、盗難数も多いと言われています。
住宅用システムも盗まれる危険性はある?
前提として、太陽光発電システムの盗難が発生するのは産業用の野立てシステムである場合が殆どとなっています。
これにはいくつか理由があり、主には
・住宅用に比べて圧倒的にソーラーパネルや銅線ケーブルの量が多いこと
・基本的に人通りが少ない場所に設置されていること
などが挙げられます。
そのため、野立てに比べれば発電容量が少なく人の目につきやすい住宅用システムが盗まれることは、確率的には低いと言えるでしょう。
とはいえ、たとえ住宅用システムでも比較的大きな容量を設置していたり、人があまり多く住んでいない郊外に設置している場合は盗難に遭う可能性もゼロではありません。
上記に当てはまる場合は、盗難リスクが僅かでもあることを心に留めた上で、出来る範囲で対策を取ることをお勧めします。
具体的な対策方法については、後ほど詳しく述べていきます。
盗難されることによって発生する金銭面以外のリスク
もしソーラーパネルか銅線ケーブル、またはその両方を盗まれてしまうと当然ながら発電はできなくなるため、自家発電や売電を行うことはできなくなってしまいます。
またそれだけではなく窃盗の際に銅線ケーブルを切断されてしまうと、そこから発火して最悪の場合火災が発生するおそれがあります。
金銭面の損害だけでもショックなのに、火災のせいで命まで危険に晒されたら堪ったものではありませんよね。
そのような事態を最大限回避するためにも、次の章からは盗難を防ぐ対策について見ていきましょう。
盗難被害に遭わないための対策
当たり前ではありますが、太陽光発電システムの盗難事件が発生するのは100%窃盗犯に非があります。
とはいえもし未然に盗難被害を防ぐ方法があるのなら、試さない手はないですよね。
この章では盗難防止に有効な対策を3つ紹介するので、「これなら我が家でもできそう!」というものがあれば是非実践してみて下さいね。
監視カメラや警報器を設置する
近年では住宅用の監視カメラや警報器が多く販売されており、購入も通販サイトから手軽にできるようになっています。
どちらも安いものでは3000円~3万円程度となっていますが、より高性能なものを求めるのであれば、やはりある程度高めの値段の製品を選んだ方が良いでしょう。
コストは若干かかってしまいますが、「安心感を買う」と思えば決して高い買い物ではないはずです。
ご近所さんと日ごろからコミュニケーションを取っておく
ご近所さんと日ごろからある程度コミュニケーションを取っておけば、いざという時に「最近この辺りを不審な人がうろついているから気を付けて!」などといった情報を共有してもらえる可能性が高くなります。
昨今では他人と関わること自体難しくなってしまった側面もありますが、「近所に信頼できる人が一人でもいる」というのはいざという時に大変心強くなれる要素です。
そのため、もし「近所の人と全然接点がない…」という場合は、まずは挨拶などから始めてみてはいかがでしょうか。
とはいえ「そもそも人付き合いが苦手」という方もいると思うので、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
こまめな点検を行う
太陽光発電システムの定期メンテナンスは義務付けられていますが、出来ればそれ以外の時期にもこまめに点検を行うことをお勧めします。
ソーラーパネルは設置した後中々自分ではチェックしないという方も多いので、もしかしたら点検することで「パネルが一枚盗まれていた!」「ケーブルが断線してる!」などといったような、知らないうちに発生していた盗難被害に気付けるかもしれません。
盗難被害に遭った時は当社へご連絡を!
万が一盗難被害に遭ってしまった場合は、是非当社が運営している盗難対応専門サイトの「太陽光発電盗難修理最安値発掘隊」までお問い合わせください。
当社に盗難対応をご依頼いただいた場合、次のようなメリットがあります。
①即時対応
被害発生後の初動対応が遅れると、火災などの二次災害が発生するおそれがあります。
逆に対応が早ければ早いほど、損失も費用も最低限に抑えることができます。
当社にお任せいただければ、最短3日(※)で着工することも可能です!
※施工スタッフが確保できた場合
②丸投げ歓迎
被害状況の確認から保険対応まで、盗難対応には想像以上に時間と労力がかかるものです。
当社なら、お客様の立ち合いなしで通報・見積もり・工事・保険対応までトータルで対応可能なため、貴重なお時間を使うことなく復旧までの手続きを進めることができます!
※状況によっては、お客様ご自身にご対応いただく場合もあります。
③再発防止のご提案
たとえケーブルを修理したとしても、対策が強化されていなければ再び盗まれてしまう可能性も。
実際、「修理が終わって連系を待つ間に盗難に遭った」というケースは少なくありません。
このような事態を防ぐべく、当社では修理と合わせて「最先端のセキュリティシステム」を導入することをご提案しています。
より詳しい内容を知りたい方は、「太陽光発電盗難修理最安値発掘隊」を是非一度チェックしてみてください。
既に盗難に遭った方だけでなく、「盗まれたらどうしよう…」と不安な方も、どうぞお気軽にご相談ください!
まとめ
今回は、太陽光発電システムが盗難に遭ったケースやその対策などについて紹介しました。
悲しいことにソーラーパネルやケーブルを狙う窃盗犯は少なくありませんが、当コラムが少しでも盗難に対する危機感を持つきっかけになれば幸いです。
そしてこれからも、太陽光発電システムユーザーの方々にとってためになる情報をシェアしていきたいと思います。