建物緑化のメリット・デメリットとは?導入を考える前に知っておきたいこと

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街を歩くと、ショッピングモールや駅ビルの屋上や壁が植物で覆われているのを目にすることがありますよね。
最近では住宅にも屋上もしくは壁面緑化を取り入れるケースが増えており、日本全体で環境意識が高まっているのを感じます。

しかし一方で、全ての物事にはメリットとデメリットがあるように、建物への緑化導入にもメリットとデメリットとデメリットがあります。
そのことを知らずにご自宅の屋上や壁を緑化してしまうと、後々「こんなはずじゃなかった…」という事態に陥りかねません。
そこで今回は、建物緑化を取り入れる前に知っておきたいメリットとデメリットについて解説していきます。

建物緑化とは

建物緑化とは、景観美化や断熱性の向上などを目的に、建物の屋上や外壁に植栽して緑化することです。
環境保全の必要性が唱えられ始めたここ十数年の間に生まれた手法だと思われがちですが、アジアでは屋根に苔の生えた古民家、ヨーロッパでは外壁が蔦に覆われた古城など、古くから植物と建築物を組み合わせるアイデアは存在していました。
また日本でも、古くから夏にはヘチマやヒョウタンで「緑のカーテン」を作り、暑さを防いで涼をとる習慣が根付いています。
近年増えている商業ビルや住宅の緑化は、まさに先人たちの知恵の賜物だと言えます。

現代において建物緑化に使用されることの多い植物は、以下の通りです。

・セダム(万年草)…灌水が要らないため手軽だが、冷却効果が低い
・つる植物…軽量かつ設置・管理が簡単なため、一般家庭に人気
・灌木(低木)…中高木に比べて低重量なため、景観に意匠を持たせたい場合に用いられる
・芝…セダム同様に手軽で、灌木と組み合わせて使用されることが増えている
・苔…超軽量で建物への負担が少なく、水や肥料が要らないため管理も簡単

これらの他にも、近年ではローズマリーやリュウノヒゲといったグランドカバー(地面を覆う植物)をマット状にした「マット・プランツ」も販売されるなど、建物緑化の植栽材料は多様化しつつあります。

建物緑化のメリット

まずは、建物緑化を行うメリットについて見ていきましょう。

ヒートアイランド現象の抑制になる

世界では今、都心部の気温が郊外に比べて高くなる「ヒートアイランド現象」が各地で観測されています。
ヒートアイランド現象は、人間活動によって建物や地表面に蓄えられた熱が大気中に放出することによって発生します。
地球温暖化が地球規模の環境問題であるのに対し、ヒートアイランド現象は都心部における限定的な現象となっています。

ヒートアイランド現象が発生する原因の一つとして、都心部の緑地が減少したことが挙げられます。
植物には、体内の水蒸気を放出する「蒸散」を行う性質があります。
蒸散が行われると熱された大気が冷却され、気温上昇が抑えられますが、緑地が減った都心部では蒸散が起こらないため、どんどん気温が高くなってしまうのです。

このことから建物緑化を行い、失われた都市の緑地を再生することは、ヒートアイランド現象の緩和につながる効果的な方法であるとされています。

省エネ効果がある

建物緑化には、夏の日射しや暑さから建物を守る「遮熱効果」と、冬の冷気から建物を守る「保温効果」があります。
通常、夏期や冬期といった外気温による負荷がかかりやすい季節になると、建物内の空調設備はエネルギーを多く消費します。
しかし建物緑化を行うと負荷が抑制されるため、建物全体の省エネ化を実現することができます。

国土交通省が公表しているデータによると、屋上緑化を行うことによって、1日あたり約4%のエネルギーが削減されることが分かっています。
また某食品会社では、屋上緑化を行ったことで冷凍機の年間動力費が緑化前より128万円削減されたという結果が出ています

建物の防水性を高める

コンクリートやアスファルトで舗装された場所の多い都心部では、降水量が多い時は雨水をさばくことができないため、集中豪雨などの際には浸水などの被害が発生する可能性があります。

しかし建物の屋上を緑化すれば、植物が雨水をある程度せき止めてくれるため、浸水を遅らせる効果が期待できます。
個人宅では屋上緑化の範囲も狭いため中々効果は感じにくいですが、マンションやオフィスビルなどでは大きな効果を発揮します。

また、一般的に屋上には雨漏りを防ぐための防水層が施工されていますが、直射日光や雨などの影響を受けることで徐々に劣化してしまいます。 しかし屋上緑化で表面を保護すれば、耐久性を強化することができるため、雨漏り防止効果も高まります。

癒し効果がある

植物から発生するマイナスイオンには、精神の安定効果や鎮静効果があります。
また、緑色の植物には眼精疲労を回復させる効果もあるため、疲れた時には目も心も癒してくれます。

現代においては、ストレスやメンタルヘルスを抱える人が非常に増えていると言われています。
特に都会には、電車、人混み、騒音、高いビル群など、ストレスを溜めやすい条件が揃っています。
そんな中に豊かな植物が植えられている建物があれば、束の間でもホッとできる人が増えるかもしれませんね。

建物緑化のデメリット

メリットについて分かったところで、次は建物緑化を行うデメリットについて見ていきましょう。

建物に負担がかかる

植物の種類にもよりますが、建物緑化を行う際は建物に少なからず荷重がかかります。
特に屋上緑化の場合、積載荷重以上に植栽すると、上からのしかかる土や植物の重みで建物に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
何より地震大国である日本においては、耐震性についても慎重に考慮しなければなりません。
そのため屋上緑化を行う際には、建物の構造について事前にしっかり把握しておくことが大切です。

落ち葉が周辺住宅に落ちる

季節の移り変わりを楽しめることから、秋冬になると葉が枯れて落ちる落葉樹を屋上緑地に植える建物も増えています。
しかし枯れ葉が周辺の住宅の敷地にまで落ちてしまうと、そこの住民に迷惑が掛かり、思わぬ近隣トラブルに発展する可能性もあります。

定期的な清掃が行われる病院や商業施設などとは違い、個人で屋上緑化を行っている場合は広範囲まで清掃を行うのが難しいことから、このようなトラブルが起こりやすいと考えられています。
住宅の屋上緑化をしたと思ったら、植栽後のフォローやメンテナンスをしっかり行えるかどうか、一度しっかり考慮しておくことが大切です。
実際に屋上緑化をするとなった場合は、植物の種類は管理できそうな範囲から選ぶことをお勧めします。

排水口の詰まり・雨漏りのリスクが上がる

緑化した部分から落ちた葉や、土壌から流出した土が排水口に詰まると、キッチンやトイレなどの水回りにトラブルが発生する場合があります。
また、大雨が降って屋上緑地の土壌に大量の水が含まれると、雨漏りが発生する場合もあります。
建物緑化を行う際は、排水面や防水面にも考慮する必要があると言えるでしょう。

コストがかかる

そもそもの緑化費用に加え、建物の耐震性や構造強化、こまめなメンテナンス、防水工事などを行おうとすると、どうしてもコストが嵩んでしまいます。
建物緑化をしたいと思ったら、まずは複数の専門業者に見積もりを依頼し、それぞれ入念に比較した上で施工を依頼する業者を決めることをお勧めします。

まとめ

多くのメリットがある建物緑化ですが、事前にしっかり下調べや対策をしないと、後々トラブルが起こる可能性もあることが分かりました。

なお、当社は長年太陽光発電システムの販売・施工を行っており、建物緑化とはまた違った形で省エネ化や地球温暖化の改善にアプローチしています。
ソーラーパネルの設置には、建物緑化と同じように遮熱効果がある他に、自家発電、自家消費、蓄電などのメリットがあります。
太陽光発電を活用した「住宅の省エネ化」や「エコな暮らし」に少しでも興味をお持ちの方は、どうぞお気軽に当社までお問い合わせください。

参考URL:熱環境の改善効果(国土交通省屋上庭園)
参考URL:温度測定・省エネ効果実例データ(屋上緑化システム)

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