2016年の4月に「電力自由化」がスタートしてからは、東電や関電などの大手電力会社だけではなく、「新電力会社」として電力販売事業に参入する事業者も着実に増えていきました。
それにより自然と私たち消費者の選択肢も広がりましたが、それが逆に「どこを選べば良いのか分からない!」という悩みの種になっている方も多いのではないでしょうか。
家庭の生活スタイルによって相性の良い電力会社は異なるため、最適解を見つけるためには、各社の特徴、そしてメリットとデメリットなどを事前にしっかり理解しておくことが大切です。
また、プランによっては太陽光発電システムと併用することで、かなりの電気代節約が実現できる場合もあります。
「太陽光発電システムを設置する前に電力会社を見直したい」という方のためにも、今回は新電力会社に関する基本的な情報について徹底的にリサーチしていきたいと思います。
新電力会社の歴史
新電力会社の歴史は意外に古く、1999年には既に改正電気事業法によって規定されていました。
とはいえ、当時は特別高圧電力(2000kW以上)のみ販売が許可されていたため、購入者も個人ではなく、企業などに限られていました。
しかしその後、販売可能な電力や販売先は徐々に範囲が広がり、冒頭で述べたように2016年4月に電力自由化が策定されてからは、一般家庭に向けた電力プランも多く登場するようになっています。
新電力会社に乗り換えるメリットは?
とにかく電気代が安い!
普及が進んでいるとはいえ、新電力会社はまだまだ大手ほどのシェア数には届いていません。
そのため、どの会社も乗り換えを促進するべく、低価格プランに力を入れている場合が多いです。
新電力会社によっては、年間の電気代が大手よりも2万円ほどお得になるといったプランを用意しているケースもあります。
また、「電気を使うとポイントが貯まり買い物ができる」「深夜の電力がかなり安くなる」
などといったように、新電力会社ごとに異なったプランを提示している点も魅力の1つと言えるでしょう。
再エネ電力を選べる!
日本の大手電力会社では、多くの場合火力発電をメインの発電方法にしています。
しかし、この方法では発電時にCO2が発生するため、近年では「環境に負荷を与える可能性がある」として懸念視されることが多くなってきています。
一方で新電力会社の中には、再生可能エネルギーから作られた電気を主に供給している会社も多数存在しています。
中でも高い再生エネルギー比率を誇っている新電力会社は、以下になります。
・グリーナでんき/再エネ比率100%
・太陽のでんき/8〜16時の日中は再エネ比率100%
・SB(ソフトバンク)パワー/再エネ比率70%
これらの新電力会社を選ぶだけでも、地球温暖化防止に貢献することができます。
さらに、太陽光発電システムを設置しているご家庭で併せて利用すれば、
かなりエコ水準の高い生活を送ることができるでしょう。
ただし再エネ比率の高いプランは、一般的なプランに比べ多少割高に設定されている場合が多いため、乗り換えを検討されている方は「電気代カット」と「環境への配慮」のどちらを優先すべきか、よく考えてから判断されることをお勧めします。
品質は大手と遜色なし
「新電力会社ってなんだか品質が悪そう…」「不具合が起きやすい気がする…」
このような理由から、新電力会社への乗り換えを躊躇する方も少なくありませんが、心配をする必要はありません。
何故ならば、新電力会社に乗り換えたとしても、送電や不具合時のバックアップなどは従来通り大手電力会社が担うという制度になっているからです。
つまり、「新電力会社に移行する=電気が思うように使えなくなる」ということは決してなく、むしろ大手電力会社と変わらない品質を保ちながら、電気代がお得になる場合がほとんどだと言えるでしょう。
新電力に乗り換えるデメリットは?
生活スタイルに合わないプランを選ぶと割高になる可能性も
近年ではオール電化を導入している家庭も多くありますが、実は新電力会社によるオール電化向けの割安プランはまだ少ないのが現状です。
そのため、もしオール電化を導入しているご家庭が大手電力会社から乗り換えようとすると、かえって追加料金が発生してしまう可能性があります。
また、「仕事が忙しくて家にいる時間があまり無い」という方が電気を使うほど電気代がお得になるプランを選んでしまうと、この場合も
結果的に割高になってしまいます。
新電力会社に乗り換える際は、「新しいものに対する好奇心から」や「なんだか安くなりそうだから」などといった理由でよく調べずに乗り換えるのではなく、事前に各社のプランを下調べし、ご自身の生活スタイルと照らし合わせた上で最適なプランを選ぶことが大切です。
解約時に違約金が発生する場合がある
大手電力会社から新電力会社に乗り換える場合、解約金が発生することは基本的にほとんどありません。
しかし、新電力会社から他の新電力会社に移行する場合、あるいは大手電力会社に戻したくなった場合には、まれに違約金が発生するケースがあります。
とはいえ、2020年現在人気を博している新電力会社の多くは違約金0円となっているため、この点に関しては過剰に心配する必要は無いとも言えます。
それでも、もし乗り換えを検討している新電力会社があった場合は、違約金が発生しないかどうか、念のため事前に確認しておくと良いでしょう。
支払い方法が限定されている場合がある
大手電力会社の多くは、基本的には銀行口座からの引き落とし、カード払い、コンビニ決済など様々な支払い方法に対応可能となっている場合がほとんどです。
しかし、それに対し新電力会社の場合は、「A銀行の口座のみ」「カードのみ」などといったように、支払い方法が限定されているパターンも少なくありません。
電気代が安くなることを期待して乗り換えたのに、料金支払いの度に手数料を取られてしまっては本末転倒ですよね。
そうならないためにも各社のプランを比較する時は、支払い方法の種類も併せて比較してみることをお勧めします。
オススメの新電力会社
Looopでんき
Looopでんきは、太陽光や風力などの再エネ発電システムを取り扱っている「株式会社Looop」が運営している新電力会社です。
基本料金や解約金は0円となっており、電気代は単一従量単価で計算されるため、「使った分だけ費用が発生するからシンプルでわかりやすい!」という好評の声が多い点が特徴です。
またポイント制度などはありませんが、度々実施されるキャンペーンによってはギフト券をもらえる場合もあります。
Looopでんき公式サイト
東京ガス
「えっガス会社で電力?」と思うかもしれませんが、実は東京ガスも新電力会社として電気小売り事業に参入している会社の1つです。
ガス会社としては大手で馴染み深いため安心感がある点や、電気代とガス代をまとめて支払える便利な「セット割」がある点が人気の理由となっています。
また、オリジナルポイントの付与サービスや料理レシピサイトの有料ページが無料で見られるなど、大手ならではの特典が豊富な点も特徴です。
東京ガス公式サイト
まとめ
今回は新電力会社に関する基本的な情報についてシェアしてきましたが、「この新電力会社は良さそう!」「この特典は嬉しいかも!」といった発見はありましたか?
新電力会社に関して気になることがある場合は該当の会社に問い合わせるのが一番ですが、当社にも新電力会社に詳しいスタッフは揃っておりますので、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。