3月に福島県沖で発生した最大震度6強の地震、ウクライナ侵攻などの影響を受け、日本は今、電力不足の危機に陥っています。
特に、クーラーを使用する家庭が増える真夏は電気消費量が増えるとして、政府は全国に向け、夏の間は節電を心掛けるように呼び掛けています。
とはいえ、近年では40℃越えも珍しくない日本の夏にクーラーの使用を我慢することは、熱中症リスクを高めてしまうことにも繋がりかねません。
暑い夏を出来る限り快適に過ごしつつ、かつ節電も実現するためには、生活の中でちょっとした対策をしておくことが大切です。
そこで今回は、数ある節電対策の中でも特に夏向けの方法を厳選し、皆さんにシェアしていきたいと思います。
エアコン関連の節電対策
基本中の基本はコレ!フィルター清掃
エアコンのフィルターに埃が溜まって冷房が効きにくくなり、その結果設定温度を下げたことにより電気代が上がってしまった…というケースは夏場少なくありません。
この事態を避けるためにも、できればエアコンのフィルターは月に1、2回は清掃するように心がけておきましょう。
基本的なエアコンのフィルター清掃手順は、以下になります。
➀エアコンから取り外す前にフィルターに掃除機をかける
②お使いのエアコンの説明書通りにフィルターを取り外す
③掃除機で吸い取りきれなかったホコリをシャワーで洗い流す
④しっかり陰干しをしてからエアコンに装着する
この中で一番のポイントは「④しっかり陰干しする」という点です。
生乾きのままでフィルターをエアコンに戻してしまうと、カビが発生しやすくなるため、しっかり乾いたことを確認した上で装着するようにしましょう。
サーキュレーター(または扇風機)と併せて使う
夏を乗り切るためのマストアイテムと言っても過言ではないエアコンですが、その一方で「風を送る方向が限られている」という弱点があることも確かです。
当コラムを読んでいる方の中にも、「部屋の床側は涼しいのに天井側は暑い…」という経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。
この空調のムラは人間にとって不快なだけでなく、エアコンの運転効率も下げてしまうため、結果的に電気代が高くつく原因となってしまいます。
これを解決するためには、サーキュレーターまたは扇風機とエアコンを併せて使用することをお勧めします。
特にサーキュレーターは空気を循環させることに特化した製品なので、エアコンと併用することで部屋の一部に滞留した冷気を満遍なく室内全体に行き渡らせることができます。
エアコンの運転効率を下げることなく、むやみに設定温度を上げなくとも涼しく快適な室内温度を保つ上で、サーキュレーターは強力な助っ人になると言っても過言ではないでしょう。
室外機の周辺も要チェック
エアコン関連の節電対策として意外と盲点となっているのが、室外機に関する対策です。
エアコンは室外機と連携して室内の熱気を外に放出しているのですが、もし室外機とその周辺の外気温が高くなりすぎてしまうと、エアコンの運転効率が著しく落ちる可能性があります。
室外機周辺の温度を上げないためには室外機を直射日光の当たらない日陰に移動させるか、板の囲いやすだれなどを設置して日光を遮断することをお勧めします。
また、室外機の吹き出し口付近に物を置いたり室外機カバーをかけたまま運転したりすると、室内から取り除いたはずの熱気が正常に排出されず、再び室外機の中に戻ってしまう場合があります。
これらもまたエアコンの運転効率が下がる原因となってしまうため、室外機周辺には段ボールなどを置かず、風通しの良い状態を保つよう心がけておくと良いでしょう。
冷蔵庫関連の節電対策
庫内に食品を入れ過ぎない
春や秋は常温保存で問題ない食品でも、夏は傷むのを恐れて念のため冷蔵庫内に保存しておく…という方も多いのではないでしょうか。
しかし、あまりにも食品を詰め込み過ぎてしまうと冷気が正常に循環しなくなり、かえって冷蔵効率を悪くしてしまう場合があります。
そうなると電気代が上がるだけでなく、「せっかく作っておいた麦茶が冷えてない…」「冷蔵庫に入れたはずの食材が傷んだ…」などといったことも起きかねません。
夏に快適に冷蔵庫を使用するためには、本格的な暑さを迎える前に家の中にある食品を一度整理しておくことをお勧めします。
開閉回数は必要最小限に抑える
冷蔵庫を開け閉めする回数が多ければ多いほど、外に逃げる冷気も多くなってしまい、庫内を冷やすための電力が余分にかかってしまいます。
一年中気を付けるべきことではありますが、夏場は特に冷蔵庫を開け閉めする回数に気を配り、開けっ放しにしたりすることがないよう意識するようにしましょう。
ちなみに庫内にビニールカーテンを装着すると外に逃げる冷気をある程度抑えることができるので、気になる方は取り付けを視野に入れても良いかもしれません。
温かい料理は冷ましてから冷蔵庫に入れる
調理したての温かい料理をすぐに冷蔵庫に入れると、急いで冷却しようとする力が働くため、余分な電力を消費することに繋がってしまいます。
また、一時的に冷蔵庫内の温度を上げてしまうため、他の食材を劣化させてしまう原因にもなり得ます。
温かい料理は、粗熱が取れるまで十分に冷ましてから、冷蔵庫に入れるよう心がけておきましょう。
その他の節電対策
昼間は室内の電気を点けない
曇りの日が多い梅雨や冬場などの日中に部屋の照明を点けるのは致し方ないものの、よほどの冷夏でない限り夏は日射しの強い日が全国的に見ても多いため、日中に照明を点けずとも十分快適に過ごせる場合が多いと言えます。
逆に、一日中照明を点けたままにしておくことは電気代が高くつく原因にもなってしまうため、必要以上の電力を使わないためにも、日中は照明の使用頻度を下げるよう日常的に意識しておくと良いでしょう。
とはいえ、気にし過ぎるあまり何度も照明を点けたり消したりすることは、かえって必要以上に電力を消費することに繋がってしまいます。
「今日は外が明るいから、室内の照明は点けずに過ごそう」「今日は外が曇っていて少し暗いから照明を点けよう」といったように、臨機応変な使い方を心がけておくことが大切と言えるでしょう。
室内照明をLEDに変える
LED電球は白熱灯や蛍光灯と比べると圧倒的に消費電力が少ないことで知られており、その差は年間で見た場合、何と約半分以下にもなると言われています。
「ただでさえ電力消費量が増える夏場だからこそ、出来る限り節電したい!」という方、「LED以外の照明を長年使っている」という方は、この機会に家中の照明を一新してみても良いかもしれません。
カーテン・植物を利用して、窓から入る熱と日射しを防ぐ
近年では単に日射しを遮るだけではなく、冷感や遮熱などの特性を備えたカーテンが多数登場しています。
お住いの地域の日射量に合ったカーテンを選び室内の温度上昇を抑えることは、エアコンの設定温度の下げ過ぎや、扇風機の使い過ぎを抑制することにも繋がります。
また、つる性の植物を窓に這わせる「グリーンカーテン」も、窓から入る熱や日射しを遮るには効果的だと言われています。
グリーンカーテンと一口に言っても、アサガオのように花を楽しむことができる植物から、ゴーヤのように食べられる実をつける植物まで様々な選択肢があります。
そのため「好きな植物を楽しく育てられる上に節電もできる!」として、年々人気が高まっています。
「興味あるけど、今年の夏中の栽培は厳しいかも…」と思っている方は、来年の夏こそチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は、夏にお勧めの節電対策を見てきました。
栽培に少しばかり手間がかかるグリーンカーテンを除けば、すぐにでも実践可能な対策法ばかりだということが分かりましたね。
当社スタッフ一同も猛暑、そして電力不足に負けることなく、引き続き皆さんに有益な情報をお届けできるよう、今後も情報のアップデートに努めてまいりたいと思います!