夏休みに親子で読みたい!環境問題を題材にした絵本10選

環境問題

地球温暖化による記録的な猛暑や大雨、プラスチックごみによる海洋汚染など、環境問題は着実に深刻化し、私たちの暮らしを脅かしつつあります。
この状況を改善するためには、私たち一人一人が環境問題と向き合うことが大切ですが、そうは言っても何だか難しそうだったり、考えるうちに落ち込んでしまったりして、つい目を逸らしてしまう人も多いのではないでしょうか。

そんな方にオススメなのが、環境問題を題材に扱っている絵本です。
絵本なら、読書が苦手な方でもスイスイ読むことができますし、子どもでも分かりやすく環境問題について学ぶことができます。

そこで今回は、環境問題を題材にした絵本の中でも、特にオススメの10作品を紹介します。

みなまた海のこえ

「みなまた海のこえ(作:石牟礼 道子 絵:丸木 俊、丸木 位里)/1982年」は、水俣病を題材にしたノンフィクション小説「苦海浄土」の作者と、「水俣の図」を描いた二人の画家の協力によって生まれた絵本です。
神の使いのきつね「おぎん」を語り手に、水俣の美しい自然の中に暮らす生き物や人間たちが、開発のために建てられたチッソ工場から流れ出た汚染水によって、苦しみ、死んでいく様子が描かれています。

一般的な絵本よりも文字数が多く、漢字も多いこの作品は、小さいお子様が読むには少し難しいかもしれません。
しかし、その力強い文章と鮮烈な絵によって、出版から何十年経っても色褪せることなく、読む者に公害の凄惨さを訴えかける作品となっています。

みなまた海のこえ 記録のえほん | 絵本ナビ

しんぴんよりもずっといい

「しんぴんよりもずっといい(作:ロバート・ブローダー 絵:レイク・バックリー)/2022年」は、アウトドア衣料品ブランドのパタゴニアが初めて出版した絵本です。

海水浴にやって来た二人の子ども「イシドラ」と「フリアン」は、海の中で網に絡まっていたアシカと出会います。
このアシカを救出したことをきっかけに、二人はリサイクルを通じて海洋汚染の改善に取り組んでいくことになります。

この絵本の着想源となったのは、パタゴニアが実際に取り組んでいる、プラスチック製漁網をリサイクルした素材を使った「バギーズ・コレクション」の展開です。
絵本の素材には消費者から回収した古紙を100%使用するなど、隅々までリサイクルへの想いが込められた作品となっています。

しんぴんよりもずっといい リサイクルのおはなし | 絵本ナビ

あるひ くじらが やってきた

「あるひ くじらが やってきた(作:ニック・ブランド)/2022年」は、アボリジナル・ピープルの子どもたちを支援する活動も行っている作者によって描かれた絵本です。

ある日突街にやって来たくじらたちは、プールで泳いだりレストランで食事をしたりと、まるで人間のように自由気ままに振舞います。 そんなくじらたちを迷惑に思う街の人々は、何とか出て行ってもらえないかと考えますが、次第にくじらたちにも「海に帰れない理由」があることが分かります。

「人間のように街で暮らすくじら」というユーモアな視点から、環境問題やSDGsについて考えさせてくれる作品となっています。
また、「立場や考え方が違うとしても、まずは相手の話を聞いてみることの大切さ」にも気付かせてくれます。

あるひ くじらが やってきた| 絵本ナビ

ゴミはボクらのたからもの

「ゴミはボクらのたからもの(作・絵:326 ゴミの解説・絵:マシンガンズ滝沢)/2020年」は、イラストレーターの326(ナカムラミツル)氏と、お笑い芸人兼ゴミ清掃員のマシンガンズ滝沢氏による、「ゴミについて考えるはじめての絵本」です。

ヒーローごっこが大好きな少年「たけしくん」は、ある日青いかいじゅうに乗った悪者たちを見つけます。
悪者たちをこらしめようと後をついていくと、そこにはたくさんのゴミ袋が積まれていました。
これをきっかけに、たけしくんは「回収されたゴミはどうなるのか」「なぜ分別が必要なのか」などについて学んでいくことになります。

ゴミ清掃員の仕事やゴミを出す際のマナーなど、子どもだけでなく大人でも意外と知らなかったことが、ユーモアを交えつつ分かりやすく描かれている作品です。

ゴミはボクらのたからもの| 絵本ナビ

ポリぶくろ、1まい、すてた

「ポリぶくろ、1まい、すてた(文:ミランダ・ポール 絵:エリザベス・ズーノン)/2019年」は、環境改善やリサイクルに取り組んだ実在の女性、アイサト・シーセイさんの物語を描いた絵本です。

アフリカのガンビアに暮らす「アイサト」は、村のみんながしているのと同じように、道ばたにポリ袋を捨てていました。
しかしある日、捨てたポリ袋が村の環境に大変な悪影響を与えていることに気付いたアイサトは、「自分たちで捨てたものは自分たちで何とかしよう!」と、仲間と一緒に立ち上がります。
考えた末に思いついたのは、ゴミだったビニール袋をきれいに洗い、ヒモにして財布を編むというアイデアでした。

アイサト・シーセイさんのこの活動は、環境改善だけでなく女性たちのエンパワメントにもつながり、今なお国際的に高い評価を得ています。
そんな女性を題材にしたこの絵本は、SDGsについて学ぶにはピッタリの作品だと言えるでしょう。

ポリぶくろ、1まい、すてた | 絵本ナビ

はじまりは たき火 火と くらしてきた わたしたち

「はじまりは たき火 火と くらしてきた わたしたち(作:まつむら ゆりこ 絵:小林マキ)/2020年」は、火と人間の歴史のはじまりから、現代のエネルギー問題までを描いた科学絵本です。

太古の昔から、人間は火を頼って暮らしてきました。
はじめは暗い夜を明るく照らす、寒い冬に暖をとる、食べ物を煮るといった生活の知恵に活かされていた火ですが、やがて火からモノを動かす力や電気を作れることが分かると、文明は一気に発展しました。
しかし一方で、燃料として資源を使うあまり、自然環境にはさまざまな悪影響が生じるようになります。

火が生まれて人が利用するようになった過程から、便利な暮らしの光と影を描いたこの作品は、私たちに「真の豊かさとは何か」について考えるきっかけを与えてくれます。

はじまりは たき火 火と くらしてきた わたしたち | 絵本ナビ

風の島へようこそ くりかえし つかえる エネルギー

「風の島へようこそ くりかえし つかえる エネルギー(作:アラン・ドラモンド)/2012年」は、実話を基に描かれた自然エネルギーの物語です。

1997年、デンマークのサムス島という小さな島で、「風力を活かし、島で使うエネルギーを100%自給しよう」という計画が始まりました。
当時、島で教師をしていた「ハーマンセンさん」が立ち上げたこの計画には、はじめは反対派も多かったものの、ハーマンセンさんの熱い説得によって次第に賛同する人が増えていきます。

土地の特性を活かした自然エネルギーの利用や、未来を見据えた発想力について学べるとともに、自然エネルギーの自給を実現させようと奔走するハーマンセンさんの熱意にも心打たれる作品です。

風の島へようこそ くりかえし つかえる エネルギー|絵本ナビ

あちち あちち

「あちち あちち(文:岡田 新吾 絵:宮崎 一人)/2019年」は、「あちち(熱い・暑い)」と感じる知覚を通じて、人類が今抱える地球温暖化について考えることを促す絵本です。

熱すぎるシャワーを浴びたり、口の中がやけどしそうなほど暑いお味噌汁を飲んだ時に感じる「あちち」という知覚。
読者は、こうした「あちち」の体験に伴う不快感を思い出しながら、「なぜ地球温暖化はよくないのか」について自分事として向き合うことができます。

あちち あちち [絵本]

えすでぃばあズ~ちきゅうをまもる100さいのばあちゃんたち

「えすでぃばあズ~ちきゅうをまもる100さいのばあちゃんたち(作:あいはら ひろゆき 絵:大原 そう)/2022年」は、「SDGs」ならぬ「SDBAs(えすでぃばあズ)」が地球の守り方を教えてくれる絵本です。

サスティナブルな100歳のばあちゃんたち10人は、街を歩きながら、食べ物を粗末にしたり、海にゴミをポイ捨てしたりする「地球をいじめるやつら」を懲らしめていきます。
痛快なばあちゃんズに思わずクスッと笑ってしまいながらも、SDGsについて分かりやすく学べる作品となっています。

えすでぃばあズ~ちきゅうをまもる100さいのばあちゃんたち | 絵本ナビ

もったいないばあさん

「もったいないばあさん(作:真珠 まりこ)/2004年」は、「もったいない」という言葉について楽しく学べるベストセラー絵本です。

ある時、「ぼく」がご飯を食べ残して遊んでいると、どこからともなく「もったいないばあさん」が現れ、「もったいなーい」と言いながら、お皿の上の食べ残しとお茶碗についたごはんつぶを平らげてしまいます。
またある時、歯を磨いている間蛇口から水を出しっぱなしにしていると、もったいないばあさんが現れ、「もったいないことをするんじゃない!」と怒ります。

一見妖怪のような怖さを感じるもったいないばあさんですが、絵本を読み進めていくと、「もったいない」という言葉には自然やモノを大切にする気持ち、ご飯を作ってくれた人やいただく命に対する感謝の気持ちが込められていることに気付きます。
さまざまなモノが溢れ、便利になり過ぎている今だからこそ、改めて読みたい作品です。

もったいないばあさん| 絵本ナビ

まとめ

今回は、環境問題を題材にした絵本の中から、オススメの10作品を紹介しました。
どの作品も子どもだけでなく、大人が読んでも考えさせてくれるものばかりです。

長い夏休みの間、是非1日だけでも親子で読書タイムを過ごしてみてはいかがでしょうか?

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