簡単にわかる!太陽光発電の基礎知識

太陽光発電

住宅の屋根やビルの屋上でも見かけるようになった太陽光発電ですが、皆さまはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
中には、「興味はあるけれど、難しそう…」と敬遠される方もいらっしゃると思います。
実は、太陽光発電について知る上で複雑な知識は必要ありません。
当記事では、太陽光発電を知る第一歩になれるよう、基礎知識を解説いたします。

太陽光発電とは

太陽光を利用する発電システム

太陽光発電は、「再生可能エネルギー」の一つである太陽光を利用した発電システムです。
そのため、太陽光が届く場所であれば、どこでも発電できるという利点があります。

「再生可能エネルギー」とは、枯渇することのない自然から生み出されるエネルギーであり、発電に使用しても温室効果ガスなどの環境を汚染する有害物質を放出しません。
そのため、地球環境に優しい発電システムとして高く評価されています。
しかし、季節と天候に大きな影響を受けてしまい、発電量が安定しないという課題を抱えています。

世界で普及が進む太陽光発電

太陽光発電は、再生可能エネルギーを利用した発電システムの中でも特に注目され、世界規模で普及が進んでいます。
中でもドイツと中国は、政策で太陽光発電の普及が進められており、世界でもトップクラスの太陽光発電システムの導入数を誇っています。

一方日本も、早くから太陽光発電の研究開発に取り組んでおり、近年では「再生可能エネルギーを主力電源にする」という目標を掲げ、政策で太陽光発電の普及が進められています。

太陽光発電で実現できる3つのこと

太陽光発電を導入することで、電気代の節約や災害対策など、多くのことができるようになります。
この章では、実現できることの中で私たちの生活に密接に関わる

・電気代の節約
・電気の売電・蓄電
・災害対策

の3つを紹介いたします。

電気代の節約

太陽光発電システムで発電した電気は無料で使うことができます。
つまり、買電(=電力会社から電気を買う)量を減らせるため、電気代を節約することができます。

また、電力会社との契約には、夜間の買電が値引きされる料金プランがあります。
この料金プランには、昼間の電気代が高くなるというデメリットがありますが、日中に発電した電気を使うことでカバーできます。
生活スタイルによっては、日中に電気を多く使う方もいらっしゃるので、太陽光発電を導入する際には電力会社との契約を見直すことをおすすめします。

電気の売電・蓄電

太陽光発電が発電する時間帯は、太陽が出ている日中に限られています。
そのため、「昼間発電しても使いきれない」という方もいます。
しかし、使い切れずに余った電気は、売電(=電力会社に電気を売ること)で収入を得られます。
また、「蓄電池」を設置することで、売電する代わりに蓄電(=電気を貯めること)が可能になり、貯めた電気を夜間や悪天候時に使うことができるようになります。

災害対策

日本は「災害大国」と呼ばれるほど、いつ自然災害が起きてもおかしくはない国です。
過去には、台風や地震の影響で実際に大規模な停電が発生した事例も数多くあります。
しかし太陽光発電があれば、たとえ停電で電気供給がストップしたとしても、生活を送る上で必要最低限の電気を賄えるようになります。

また、前述した蓄電池は災害時にも活躍します。
蓄電池の容量にもよりますが、1回の蓄電で1~2日は生活に必要な分の電気を確保でき、太陽光発電と併せると長期間の停電にも対応可能になります。
災害時のリスクを極力減らすためにも、太陽光発電と蓄電池を同時に設置することをおすすめします。

太陽光発電の仕組み

太陽光発電に欠かせない設備

太陽光発電を家庭で利用するためには、専用の設備を一式揃える必要があります。
この章では、太陽光発電を家庭に導入するために必要な設備を紹介いたします。

太陽光パネル

太陽光パネルは、太陽光を電気に変換する設備です。
正式名称は「太陽電池」であり、「太陽光パネル」という呼び方以外にも「太陽電池パネル」「太陽電池モジュール」「ソーラーパネル」などの呼び方があります。
太陽光パネルには、さまざまな種類の半導体が用いられており、「発電量が多い」「生産コストが安い」など、素材それぞれに特徴があります。
中でも「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3種類が多く流通しており、現在は「シリコン系」が高いシェアを誇っています。

接続ユニット

接続ユニットは、複数の太陽光パネルで発電した電気をひとまとめにする設備です。
集めた電気は、後述のパワコンへと供給されます。
屋内用・屋外用と、設置場所によって接続ユニットの種類が分けられており、それぞれには特徴があります。
屋内用は、メンテナンスの頻度が少なくて済むものの、太陽光パネルからの配線を屋内に通すために外壁に大きな穴を開ける必要があります。
屋外用は外に設置するため設置場所の自由がききやすい反面、雨風対策として防水処理が施され、やや高額になります。

パワーコンディショナー(パワコン)

パワーコンディショナー(以下パワコン)は、太陽光パネルで発電した「直流電気」を普段の生活で使用している「交流電気」へ変換し、電気を分配する「分電盤」へ送る設備です。
パワコンで電気を変換しなければ、家庭で電気を使用することはできません。
つまりパワコンは、太陽光発電を根幹で支える設備だと言えます。

パワコンには、「自立運転モード」と「連系運動モード」があります。
「連系運転モード」は電力会社とつながっているモードで、このモードに設定しておくことで電気の売買ができます。
「自立運転モード」は停電時に電気を使えるモードで、パワコンに設置されている自立運転専用コンセントに接続することで連携運転モードから切り替えることができます。
パワコンも屋内用・屋外用と設置場所ごとに種類が分けられており、特徴も接続ユニットとほぼ同じです。
また、接続ユニットの機能を持ったパワコンも販売されています。

分電盤

分電盤は家庭内に電気を分配するだけでなく、電気の使い過ぎや漏電を防止する役割の設備であり、どの家庭にも必ず設置されています。
太陽光発電を設置する場合には、パワコンと電力メーターに接続できる専用の分電盤との交換が必須です。

電力メーター

電力メーターは、電気量を計測する設備です。
どの住宅にも買電を計測する「買電メーター」は必ず取り付けられていますが、売電を計測する「売電メーター」は取り付けられていません。
太陽光発電では売電も行われるため、「売電メーター」を取り付ける必要があります。

ちなみに近年主流となりつつある最新型の電力メーター「スマートメーター」は、一台で買電と売電をリアルタイムで計測できるなど、さまざまな機能を搭載しています。
電力メーターには有効期限が定められており、有効期限を過ぎた旧式の電力メーターは、順次電力会社によってスマートメーターへと無料で切り替えられていきます。
スマートメーターの交換時期や費用など、分からないことがございましたら、管轄の電力会社にご確認ください。

電気が供給される流れ

太陽光発電は、以下の流れで家庭に電気を供給します。

①太陽光パネルにより、太陽光から直流電気を作る。 
②接続ユニットにより、発電した直流電気をひとまとめにして、パワコンへ送る。
③パワコンで、直流電気を交流電気に変換し、分電盤に送る。
④分電盤により、交流電気を家庭内へ分配する。
5電力メーターで、売電量と買電量を計測する。

太陽光発電の現状

設置価格が1/3まで大幅ダウン

太陽光発電の低価格化はここ10年で急速に進み、2009年には平均価格が300万円前後だったのが、2019年にはおよそ1/3の100万円前後までプライスダウンしました。
理由としては、メーカーの努力により太陽光発電設備が安価で大量生産できるようになったことが挙げられます。
太陽光発電の技術は日々進化し続けているため、今後もさらに価格が安くなることが予測されています。

補助金制度が利用できる自治体がある

一部の自治体では、独自に太陽光発電の補助金制度を設けている場合があります。
ただし、自治体の補助金制度の予算は限られており、無くなり次第終了となるため、注意が必要です。

また、自治体ごとに補助金を受け取れる条件や申請方法、必要書類が違います。
太陽光発電を設置する際には、補助金の有無だけでなく、受け取る方法も確認しましょう。

まとめ

今回は、必要な設備や特徴などの基礎知識を解説いたしました。
当記事が太陽光発電について興味を持つきっかけになれば幸いです。

また、当コラムでは最新情報を日々配信しております。太陽光発電に興味をお持ちになった方は、ぜひ、ほかの記事もご覧になってください。

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