蓄電池の導入は早い方が良い?まだ待つべき?価格面&防災面から考えてみよう

蓄電池

太陽光発電システムをはじめとした再エネ発電システムの普及に伴い、近年では蓄電池の知名度が一段と高まっています。
その活用場所はいまや住宅に限らず、ビル、工場、車載用などさらに幅を広げています。
頻発する自然災害や人々の環境意識の向上を考えると、再エネ発電システムと蓄電池の併用は今後益々欠かせないものとなっていくと言っても過言ではありません。

とはいえ、価格面や性能面などが今後さらに変化していく可能性を踏まえると、「今はまだ蓄電池を導入する時じゃないのかも…?」「もう少し様子を見た方が良いのかな?」という考えが頭をよぎらなくもないですよね。
しかし結論から言うと、蓄電池の導入は早ければ早い方が賢明です。

今回は「蓄電池の導入は早い方が良い理由」ついて、価格面や防災面などから探っていきたいと思います。

価格自体は2030年までに最大66%低下の見通し

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が2017年に発表した見通しによると、2030年までに定置型蓄電池のコストは2017年当時に比べ、最大66%は低下すると予想されています。
実際、発表以降蓄電池の価格は年々下降傾向が強まっています。

また、2030年にはさらなる性能向上も進み、蓄電容量も20倍近く大幅に向上するとも考えらえています。
2022年現在の蓄電池の価格相場は、一般家庭程度の容量の場合で約100万前後となっています。
この金額から最大で66%低価格化すると考えると、10年後には50万円以下で蓄電池設備を導入できるということになります。

これだけ見ると、「やっぱり今よりもっと安くなるまで待ってから設置した方が良いのかも!」と思う人もいるかもしれません。
しかし、それでもやはり蓄電池の導入は早めが良いことに変わりはありません。
次からは、その具体的な理由について解説していきます。

蓄電池導入は早い方が良い理由➀今の蓄電池には補助金がある

前述したような蓄電池の低価格化はほぼ確実ですが、もし10年後IRENAの予想通り大幅な価格低下が起こった場合は、現在政府が蓄電池導入を普及する為に行っている補助金制度が撤廃される可能性があります。

分かりやすい例として、太陽光発電システムにおける補助金制度の顛末を見てみましょう。
1994年に開始した国による太陽光発電補助金制度は、当初は設置費用の最大2分の1(上限90万円)もの補助金を受け取ることができるという、太陽光発電システムの設置希望者にとっては大変ありがたい制度でした。
しかし、2年後の1996年には早くも上限が50万円に引き下げとなり、さらにその翌年には最大2分の1から3分の1と大幅に変更され、制度開始から10年後の2004年には上限2万円/KWにまで減額しています。

このように、補助金額は太陽光発電システムの低価格化に伴い徐々に減額し、2006年には一度補助金制度自体撤廃されました。
その後、温室効果ガスが世界的な課題として注目が高まったことによって2009年に補助金制度は復活しましたが、太陽光発電システムの低価格化はますます進んでいたため、わずか6年ほどで制度は再び撤廃されています。

そして蓄電池の補助金制度もまた、太陽光発電システムの補助金制度と同じ道を辿るのではないかと考えられています。
蓄電池の補助金制度は、東日本大震災が発生した2011年の翌年から開始しています。
この未曽有の震災以降、蓄電池の導入は災害時の停電対策になるとして一気に注目が高まったことがきっかけでした。
制度開始当初の補助金額は、機器費用の3分の1で上限は100万円に設定されていました。
それに対し2020年の補助金額は、2万円/kWhで上限が60万円となっています。

もう既にお気づきの方も多いと思いますが、この補助金額減額の流れは太陽光発電システムの補助金額減額の流れによく似ています。
つまり近い将来、早ければ2~3年後には、蓄電池の補助金額制度は無くなっている可能性があるのです。
確かに10年後になれば、蓄電池は圧倒的な安さで導入できるかもしれませんが、それまで価格変移の様子を伺い続けて導入を先延ばしにするよりも、確実な補助金制度がある今のうちに導入してしまった方が長い目で見ても得策だと言えるでしょう。

蓄電池導入は早い方が良い理由②常に災害時に備えられる

日本は世界的に見ても、非常に多くの自然災害に見舞われやすい国です。
過去10年間だけでも、東日本大震災、熊本地震、台風19号など、数々の自然災害が日本各地を襲っています。
「10年後くらいに安くなったら蓄電池を買おう」と思っていても、それまでの10年間に何の自然災害も起こらないという保証はどこにもありません。

電気の使えない生活というのは、想像以上に不便なものです。
もし突然の地震や台風によって停電した環境での生活を余儀なくされた場合、それが真夏であればクーラーや扇風機が使えず熱中症になってしまったり、真冬であれば寒さに凍えることになるかもしれません。
また冷蔵庫も使えなくなり、貴重な食材がすべて腐ってしまう可能性もあります。

その点蓄電池があれば、万が一の際でも最低限の電気は使うことが出来ます。
災害が発生してから「あの時蓄電池を設置しておけば…」と後悔する前に、早めに導入しておいた方が得策だと言えるでしょう。

蓄電池導入は早い方が良い理由③「売電」から「自家消費」の時代になっている

2019年以降、住宅用太陽光発電システムの固定買取価格期間が終了し「卒FIT」を迎える家庭が続々と出てきています。
卒FITした後の売電価格は8~9円/kWと大変安くなっているため、固定買取価格期間中のように売電収入を得るのは正直なところ厳しいと言えます。
そのため「わずかな売電収入を得るよりは、発電した電気は自家消費に回す」というのが近年の太陽光発電システム運用の主流となっています。
自家消費する場合、蓄電池は早めに導入した方が省エネ面でも節電面でもお得だと言えます。

卒FIT後に蓄電池の導入がオススメな理由については「卒FIT後は蓄電池&エコキュートの導入がオススメ!その理由を徹底解説」に詳しく書いているので、気になった方はこちらも是非チェックしてみて下さいね。

蓄電池の導入前はしっかりリサーチを!

補助金制度や災害対策の観点から、蓄電池の導入は早い方が良い理由について紹介していきましたが、それでも安く導入できるならそれに越したことはないですよね。
ただ、安さだけを重視して製品や販売業者を選ぶと、性能があまり良くなかったり、お使いの太陽光発電システムと上手く連携できなかったりと問題が発生する場合があります。
また、導入後のアフターケアも十分に行ってくれない可能性もあります。
このような事態に見舞われないためにも、蓄電池を導入する際は事前にしっかりリサーチすることが大切です。

当社では太陽光発電システムだけでなく、蓄電池の販売も行っています。
「高品質な蓄電池を業界最安値で販売」をモットーに掲げており、過去にご依頼を受けたお客様からも大変ご好評をいただいています。
費用面や性能面など、少しでも蓄電池に関する気になる点があれば、是非一度当社までお問い合わせください。

まとめ

今回は、「蓄電池の導入は早い方が良いのか、もう少し待つべきか」について解説していきました。
結論としては冒頭でも述べたように「早いに越したことはない」ですが、だからと言って焦って導入すれば良いという訳ではありません。
蓄電池について事前にしっかり調べ、予算についても十分に検討した上で、無理のないタイミングで導入することが大切です。
もし調べている中で分からないことや不安なことが出てきた場合は、どうぞお気軽に当社にご相談ください。

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