太陽光発電システムを処分したい!撤去方法や費用を知っておこう

太陽光発電

太陽光発電システムは一度設置すれば、最長で30年~40年は稼働し続けてくれると言われています。
しかし、そうは言ってもやはり機械なので、他の家電と同様にいずれ寿命を迎えた際には、システム全体を住宅から撤去する必要があります。
また、寿命まではまだ時間があり性能自体にも問題がなくとも、予期せぬ事情により撤去する必要が生じるケースもあります。
いざ処分するとなった際、適切な方法が分からず途方に暮れてしまわないように、
今回は撤去方法、撤去時に発生する費用、撤去する上での注意点などについて見ていきましょう。

撤去&廃棄に関するキホン情報

ソーラーパネルは産業廃棄物!

一般的に太陽光発電システムは、ソーラーパネルとその他機器で処理方法が異なります。
パネル架台、パワコン、接続ユニットなどの周辺機器は「粗大ごみ」に分類されますが、鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれているソーラーパネルだけは「産業廃棄物」に分類されるため、適切な方法で厳重に処分する必要があります。
そして、その産業廃棄物の処理は、法律によって定められた「排出事業者(最終的にごみを処理場に出す人のこと)」が行うべきとされています。
太陽光発電システムの場合は、基本的に製品の販売、設置、解体に関わった業者のいずれかが排出事業者となります。
例外として製品のユーザー自身が排出事業者となる場合もありますが、その点については後程詳しく述べていきます。
いずれにせよ、何らかの理由によりシステムの撤去を決めた場合は、まずはメーカー、もしくは設置時に施工を依頼した店に相談することが大切です。
また、ソーラーパネルの撤去には感電や怪我などの危険が伴う可能性があるため、決して独断で取り外そうとしたりせず、必ず専門の業者に依頼することを心がけておきましょう。

よくある撤去理由

理由その➀システムの寿命・故障

冒頭でも少し触れましたが、やはり最も多いシステムの撤去理由は「システムの老朽化」です。
この場合は、製品の販売店、もしくは施工店が撤去から排出までを行います。

撤去の理由が故障だった場合、原因がメーカーによる不備や初期不良であれば保険適用となり、費用負担が免除もしくは軽減される可能性があります。
そしてその際には、排出もメーカーが行うことになります。
しかし故障原因が他にあった場合には費用が発生し、排出事業者も異なる可能性があります。
いずれにせよ故障が発生した際には保険内容の確認も兼ねて、まずはメーカーに問い合わせることをお勧めいたします。

理由その②住宅のリフォーム・解体

家を建て替える、または改築を行うなどの理由で太陽光発電システムの撤去を行う場合は、住宅の解体工事を行う業者が排出事業者となるケースが多いです。
そのため、解体・改築の予定を立てる段階で太陽光発電システムのことも業者に相談し、撤去から排出までを行ってもらえるよう依頼することが大切です。

理由その③自然災害や事故によるパネルの落下・破損

なるべく避けたいケースではありますが、全く無いとも言えないのがこの理由による撤去です。
先ほど「ソーラーパネルは産業廃棄物」と述べましたが、屋根からの落下などの衝撃で破損したパネルに関しては例外となり、その場合は「一般廃棄物」に分類されます。
一般廃棄物の処理方法は各自治体によって異なるので、まずはお住いの地域の廃棄物相談窓口に相談してみることをお勧めいたします。
基本的には専門の回収業者に撤去を依頼し、処理または再資源化に回してもらう流れとなっています。
そしてソーラーパネルが一般廃棄物に分類された場合、法律上の排出事業者は太陽光発電システムのユーザー自身になります。
とはいえ前述したように、専門の業者以外がソーラーパネルの撤去を行うのは大変危険なため、いずれにせよ撤去から排出までの処理全般はプロに任せてしまった方が安全です。

パネルの破損理由によっては災害保険が適用される可能性もあるので、その点が気になった場合は、自治体だけではなくメーカーにも問い合わせてみると良いでしょう。

撤去時に発生する費用

太陽光発電システムが本格的に普及したのが1990年代だと考えると、多くの設置済みシステムはまだ寿命を迎えていないため撤去の事例自体少なく、正直なところ明確な相場が出しにくいというのが現状です。
しかし、その上で大まかな費用を想定すると、「撤去作業代」、「運搬代」、「廃棄代」を合わせて約10~20万円程度だと言われています。

ちなみに、売電に関する記事で度々取り上げてきたFIT法(固定価格買取制度)ですが、
実はこの制度の中には、「設置コストの回収」だけではなく「撤去費用の積み立て支援」という目的も含まれています。
経済産業省によると、約20年間売電を行えば撤去費用は大方まかなえると言われていますが、今後もし売電額の大幅な低下や制度自体の変更があった場合、その予想は外れる可能性があります。
しかし逆に、年々撤去作業の簡略化が進んでいけば、それにより費用が安くなる可能性もあると言えます。
どちらに転んでも安心していられるよう、余裕があれば売電収入とは別に、撤去費用の積み立てをしておくと良いかもしれません。

適切に処分しなかった場合どうなる?

「太陽光発電システムの撤去に費用をかけたくない」
「撤去の仕方がよく分からないけど、わざわざ調べるのもめんどくさい」
このような身勝手な理由から、太陽光発電システムを不法投棄する悪質なユーザーが稀に存在します。
不適切な廃棄を行うことは、投棄場所に選ばれた土地にとって迷惑がかかりますし、
なにより環境破壊を拡大させる原因になりかねません。
そもそも不法投棄は立派な犯罪なので、判明すれば5年以下の懲役か1000万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられてしまいます。
環境のためにも自分自身の人生のためにも、太陽光発電システムは必ず適切な方法で廃棄するようにしましょう。

リサイクル推進の動き

年々高まるリサイクルへの意識

FIT法が策定された2012年以降、住宅用太陽光発電システムは急速に普及していきましたが、その弊害として2040年頃には、多くのシステムが寿命を迎えるのではないかという懸念がここ数年で囁かれるようになりました。
大量のシステムがほぼ同時期に撤去された場合どうなるかというと、最終処分場がキャパシティを超え、廃棄物が溢れてしまう可能性があります。
そして、それにより行き場をなくしたソーラーパネルが不法投棄されてしまうと、
有害物質の流出や拡散に繋がるおそれがあるのです。
この事態を防ぐべく、環境省は「使用済み再エネ設備のリサイクル社会構築」を目標に掲げ、それを受けた国立研究開発法人のNEDOでは、「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」という事業のもと、リサイクル普及に向けた研究が平成26年度から約4年間行われました。
その結果、リサイクルにおける加工技術の発達及び低コスト化が進み、年々多くの企業がこの動きに参入する運びとなったのです。

実際のリサイクル例をチェック!

太陽光発電システムの中でリサイクルに回すことができるのは、主にソーラーパネルに含まれている「ガラス」「金属」「プラスチック」「シリコン」となっています。
中でもシリコンは耐熱性や保温性に優れていることから、「ケイ素繊維」として衣料品の材料に用いられることが増えています。

またリサイクルだけではなく、リユース推進の動きも活発になっています。
長野県の「ネクストエナジー・アンド・リソース」という企業は、それまで行ってきた
太陽光発電システムの点検及び洗浄の技術を活かし、使用済みパネルを整備し直して
中古品として販売することに成功しています。
「ソーラーパネルの処理って面倒くさいな…」と思った場合は、このような企業に査定を依頼し、買い取ってもらうのも良いかもしれません。

まとめ

太陽光発電システムの撤去及び廃棄はまだまだ前例が少なく、そのために懸念事項も多いのが現状です。
しかし裏を返せばそれは、いくらでも良い方向へ転がせる可能性を秘めているとも言えます。
環境に配慮すべく生み出された太陽光発電システムだからこそ、間違った処分方法で地球を汚したりせず、一度設置したら処分するまで適切な方法で扱うことが大切ですね。

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