太陽光発電システムは10年、20年にわたって使い続ける設備なので、長く使い続けられるかどうかは非常に重要なポイントです。保証はあるのか、各メーカーによって内容に違いがあるかどうか気になりますよね。そこで今回は、太陽光発電システムの保証と各メーカーの内容について紹介します。
太陽光発電システムの保証
太陽光発電システムには、ほかの一般的な家電と同じように「保証」が必ず付いています。保証内容はメーカーによってさまざまですが、ほとんどのメーカーで太陽光パネルやコンディショナー等に無料の保証が設けられています。
主な保証は次の4つです。
システム保証
製造上の不良や、通常使用による不備などがあった時に対応してくれるもの
出力保証
パネル面の劣化や汚れなどが原因で規定の発電出力を下回った場合に、修理・交換などの対応をしてくれるもの
自然災害保証
火事・台風・落雷など自然災害による被害にあった場合に修理等の対応をしてくれるもの
施工保証
設置工事による不備が起きた場合に補修・交換等を行ってくれるもの
各保証内容について詳しく解説した記事もあるので、ぜひあわせてチェックしてください。
各メーカーの保証内容
ここからは、各メーカーの保証内容や保証範囲をそれぞれ紹介します。保証内容はメーカーごとに大きく異なるので、比較して安心できるメーカーを選びましょう。ちなみに太陽光システムの寿命は一般的にパネルが20年~30年、パワーコンディショナーが10年~20年と言われています。
シャープ
シャープの場合はシステム設置時に「10年保証(無償)」、または「15年保証(有償)」のどちらかを選択できます(※BLACKSOLARシリーズ限定の長期プレミアム保証(無償)もあり)。
人気の「まるごと15年保証」は、発電システムにかかわる機器すべてをまるごと保証するというもの。すべてがシャープ製だからこそ実現できる安心の機器保証です。設置から10年を過ぎてパネルやパワーコンディショナを交換する場合、15年保証に未加入の場合は部品代や作業費など多額の修理費用がかかりますが、15年保証に加入していれば追加料金なしで交換工事の対応をしてもらえます。15年保証は設置システム容量50kWまでの集合住宅も対象です。
モジュールの出力を保証するモジュール保証は、10年保証の場合が90%(10年間)、15年保証の場合は10年間が90%、11~15年は85%の出力値が保証されます。
また黒を基調としたデザインの「BLACKSOLAR ZERO」を設置した場合、同シリーズ限定の長期プレミアム保証に無償で加入することができます。プレミアム保証ではモジュール保証が20年、システム機器が15年保証されます。
いずれの保証も設置引き渡し日から1ヶ月以内の加入が必要で、途中から保証制度を切り替えることはできないので注意してください。
京セラ
京セラの住宅用太陽光発電システムには無償の標準保証に加えて、機器保証と出力保証、自然災害保証がセットになった「トリプル保証(有償)」が用意されています。どちらの場合でも自然災害保証がついているので、台風や落雷などによる万が一の故障にも対応してもらえるのが大きな魅力です。
また、無償の標準保証の場合は機器保証が10年、自然災害保証が10年、出力保証が20年に対して、トリプル保証の場合は機器保証が15年、自然災害保証が15年、出力保証が20年とより手厚くフォローしてもらえます。保証期間内なら回数は無制限で、何度でも修理可能なのもうれしいポイントです。
パナソニック(SANYO)
日本初の住宅用太陽光発電システムを開発・設置し、長い歴史と実績を誇るパナソニック(SANYOから統一)では、長期間しっかり発電する自信があるからこそ保証期間も長く設定されています。
モジュール・モジュール出力は25年、パワーコンディショナや架台などのシステム機器は15年の保証に無償で加入できるほか、火災や落雷、風災等の自然災害に起因して生じた損害を15年間補償する「自然災害補償」の加入も可能です。
東芝
長期保証が自慢の東芝は、シリーズや機種ごとに無償で加入できる保証期間が設定されています。最も手厚い保証がついているのはSシリーズ(一部を除く)で、モジュール(パネル)自体の保証と出力の保証が25年、システム機器の保証が15年です(※最大出力の保証値は設置から10年までは90%、11年~15年までは85%、25年までで80%)。機器のグレードにより保証内容が異なる場合もあるため、購入時は保証内容も比較してから選ぶ事をおすすめします。
三菱
※住宅用太陽光発電システムの保証申請(無料)は受付が終了されています。同ページの掲載内容は販売当時(2020年3月時点)の内容です。
パワーコンディショナの性能に定評のある三菱は、トータル25年の保証で長く安心して使うことができます。15年保証付きのパワーコンディショナは、新しいものに買い換える際に無料で保証が更新されます。
また、保証年数だけでなくモジュール出力の保証範囲が充実しているのも三菱の魅力。太陽電池モジュールの出力が公称最大出力値の80%(20年目まで)、72%(21年目から25年目まで)を下回った場合は25年間無料で修理することができます。
Qセルズ(ハンファ)
低価格ながら耐久性にも定評があるQセルズは、太陽光発電システム15年、蓄電システム15年、出力保証は25年と、長期安心保証に無料で加入できるのが魅力。
また出力保証は最大出力値が毎年更新されるなど、他のメーカーと比べて保証が手厚いのも特徴です。一般的な日本メーカー製品が10年目まで公称最大出力の出力下限値の90%以上を保証しているのに対して、Qセルズ(Q.PEAK DUO-G11シリーズ)は初年度に98%を保証し、2年目以降は毎年0.5%の出力低下を下限に出力を保証しています。
もしもメーカー保証がきれた後は…
どのメーカーもお客様に長く安心して製品を使って頂けるように、さまざまな保証を用意しているのがわかりました。とはいえ万が一メーカーの保証外で修理が必要になった際は、当社にご連絡ください! 経験豊富なスタッフがお客様の状況に合わせて、修理や交換の最適なご提案&対応をさせて頂きます。