ここ数年の間にすっかりガスコンロにも引けを取らない存在となったIHクッキングヒーターですが、一口にIHと言っても様々な製品があるため、「何を基準に選んだら良いか分からない…」と悩んでしまう方も少なくないのではないでしょうか。
また、お手入れ頻度や調理頻度が異なれば「ここは外せない!」と思う基準も異なってくるので、今回は各メーカーによる製品をご紹介しつつ、それぞれの特長をチェックしていきたいと思います。
ちなみに2020年現在、IH市場において主要メーカーとされているのは以下になります。
・パナソニック
・三菱
・日立
今回は上記の3社に絞り、IHクッキングヒーターを選ぶ上で気になるポイントである
➀加熱性②安全性③省エネ性④使いやすさ⑤お手入れしやすさ
に焦点を当て、それぞれ比較していきたいと思います。
Panasonic パナソニック
加熱性
パナソニック製IHクッキングヒーターの機能として代表的なものの1つに、「IH&遠赤 Wフラット ラクッキングリル」(Yシリーズ)があります。
その名の通り、グリル内が凹凸の少ないフラットな作りになっているため食材の隅々まで熱が通りやすくなっている点が特長です。
さらに一般的なグリルの場合は網の上に乗せて食材を焼く形になりますが、パナソニック製の場合は網ではなく熱伝導率の高いプレートグリル皿を導入しているため、旨味を閉じ込めたままスピーディーな焼き上げができるようになっています。
プレート面においても、チョコレートなどを溶かす「とろ火」から炒飯を上手に作るために必要な「強火」まで、幅広い火加減に対応が可能です。
安全性
パナソニック製IHクッキングヒーターには、安全性を考慮した機能も多数搭載されています。
お湯を鍋で沸かしている際に吹きこぼれないよう自動で保温調節を行う「自動湯沸かし」、焦げつきを検知すると自動的に加熱を止め、音声と光でお知らせする「こげつきお知らせ」、使用しない間は一切のボタン操作ができなくなる「オートロック(チャイルドロック)」など、あらゆるケースを想定した機能が揃っています。
省エネ性
パナソニック製IHクッキングヒーターには、おいしい料理を作りながら省エネライフも実現できる「エコナビ」が搭載されています。
エコナビの搭載によりすばやく温度を検知するため、調理中に無駄な火力を検知した場合は余分な火力を自動コントロールして制御することが可能となっています。
そのため消費電力を抑えつつ、最適な温度でクオリティの高い料理を作ることできます。
使いやすさ
パナソニック製IHクッキングヒーターのグリルは業界最高レベルの天井面の高さを有しているため、ローストチキンやパウンドケーキなど高さのある料理を作ることも、鍋ごとグリルに入れて調理することも可能となっています。
たとえばパエリアなどの料理を、グリルで鍋ごと調理してそのまま食卓に出せば、簡単に作れて洗い物も少なく済ますことができます。
お手入れしやすさ
前述した通り、「IH&遠赤 Wフラット ラクッキングリル」(Yシリーズ)は従来のグリルのようなヒーター部分の出っ張りなどが無くフラットなため、360℃隅々まで簡単に拭き掃除を行うことができます。
また、グリル皿も網状ではなくプレート状になっている上にフッ素加工が施されているため、キッチンスポンジと薄めた中性洗剤で食器と同じように洗うだけで、手軽に油を落とすことができます。
<総評>本格的な料理を幅広く楽しみたい人&省エネ性重視&簡単にお手入れしたい人にはパナソニックがオススメ!
MITSUBISHI 三菱
加熱性
三菱製IHクッキングヒーターには、「びっくリング加熱」という独自の加熱調整機能が搭載されています。
一般的なIHクッキングヒーターの場合は、プレート内部に埋め込まれた1つのコイルに電流を流して加熱するという仕組みになっているのに対し、「びっくリング加熱」搭載製品内部のコイルは5つに分割されています。
この5つのコイルが対流を起こすことで鍋の中の食材が自動的にかき混ざるので、火加減の調節やかき混ぜるなどの工程をこまめに行わずとも、満遍なく味の染み込んだおいしい料理を作ることができるようになっています。
特にシチューや煮物などの煮込み系料理は、「おいしく作れる!」とユーザーから高い評価を得ています。
安全性
三菱製IHクッキングヒーターで湯沸かしを行う際は「ゆでもの加熱」というメニューを選択すれば、吹きこぼれを抑えつつ沸騰状態を保ったまま、おいしく食材を茹で上げることが可能になります。
「お湯が吹きこぼれたから慌てて鍋を触ったら火傷してしまった…」という事態も回避できるので、おいしさだけではなく安全性にも優れた機能だと言えるでしょう。
他には「空焼き自動停止機能」、震度5以上の地震を感知すると電源がオフになる「地震感知機能」なども搭載されています。
省エネ性
➀で紹介した「びっくリング加熱」機能は対流により効率よく加熱を行うため、従来のIHクッキングヒーターに比べて使用する電気も大幅に抑えるが可能となっています。
実際に「びっくリング加熱」搭載前の三菱製品(2008年製)と比較したところ、なんと約40%もの電力消費量をカットすることに成功したことが分かっています。
使いやすさ
三菱が出している「ラク楽IH」という製品は、IHクッキングヒーター初心者の方または高齢者の方でも簡単に使えるシンプルな設計になっています。
一目見ただけで機能が分かる上に操作もしやすい「でか文字ボタン」、鍋の置く位置がはっきりとしたオレンジ色の枠で示されている「オレンジサークル」、IH本体の周りに人がいるか検知し、高温時などには音声で注意を呼びかけてくれる「見まもりセンサー」など、使用者本人も周りの家族も安心して使える機能が満載です。
お手入れしやすさ
IHプレートが汚れる主な原因として挙げられるのは、「鍋からの吹きこぼれ」と言われています。
その点、前述したように三菱製IHクッキングヒーターには「ゆでもの加熱」機能が付いているため、吹きこぼれによる汚れがこびり付く心配もなく、綺麗な状態を保つことが可能となっています。
<総評>煮込み料理をよく作る人&節電したい人&IHクッキングヒーター初心者には三菱がオススメ!
HITACHI 日立
加熱性
日立製IHクッキングヒーターの特長としてまず第一に挙げられるのは、何と言っても「スピード大火力」です。
3.2kWを誇る火力は業界でもトップレベルとなっており、従来品に比べて湯沸かしのスピードを驚くほど短縮することに成功しています。
もう1つの「ラク旨グリル&オーブン」という機能では、料理に合わせて自動的に火加減を調整してくれるので、グリルでは本格的なハンバーグやふっくらとした焼き魚、オーブンでは家庭料理の定番である肉じゃがなどの絶品メニューを手軽に作ることができます。
また、ラク旨グリルは調理中に出た油を側面の溝に落とす構造になっているため、余分なカロリー摂取を抑えたい人にとっても嬉しい製品となっています。
安全性
他2社と同じように日立製IHクッキングヒーターもまた、高い安全性を備えている点が評価されています。
加熱中にIHプレート上の鍋が大きくずれると火力表示が点滅し、30秒後には電源がオフになる「鍋無し自動停止」、最後の使用から一定時間が経過すると自動的に電源がオフになる「切り忘れ防止自動停止」、小さなお子様がどのスイッチに触れても作動できないよう設定できる「チャイルドロック」などが主な安全機能となっています。
省エネ性
日立製IHクッキングヒーターには、「光・温度センサー」という日立独自の機能が搭載されています。
この機能があれば鍋底を加熱し過ぎることなく適温で調理を行うことができるため、余分な火力をカットすることに繋がり、結果的に省エネを実現することが可能になります。
また、総消費電力の上限を抑える「節電モード」を活用すれば、家庭における電力消費量を削減することもできます。
使いやすさ
使いやすさにおいてもまた、日立製IHクッキングヒーターは業界トップレベルと言っても過言ではないでしょう。
火力を緑、黄色、オレンジ、赤の4つの色で分かりやすく表示する「4色ワイドカラー液晶」、触れるだけで簡単に操作できる「ガラスタッチ操作」など、使いやすさとスタイリッシュさを兼ね備えた機能が豊富に揃っている点が特長です。
お手入れしやすさ
日立製IHクッキングヒーターのプレート部分には日立独自の「排気口ポケット」がついており、調理中に鍋からこぼれた食材カスなどをキャッチできる作りになっています。
この排気ポケットは簡単に取り外すことができるため、こまめに溜まった食材カスを捨てて洗うことができます。
<総評>カロリーコントロールをしたい人&調理時間を時短したい人&スタイリッシュさや独自技術に惹かれる人には日立がオススメ!
まとめ
今回は、IHクッキングヒーター各主要メーカー3社の特長を細かく見ていきました。
今まさにどこのメーカー製品にしようか迷っている方にとって、当記事が少しでも製品選びの参考になれば幸いです。
ちなみに当社では太陽光発電システム、姉妹社であるyhs株式会社ではエコキュートを扱っており、これらをIHクッキングヒーターと併用すると、よりエコな省エネライフを実現することが可能になります。
もし「太陽光発電/エコキュートも気になってきた…」という方がいましたら、どうぞお気軽に当社までお問い合わせください。